MARCHと成成明学は、どちらも関東にキャンパスを持つ大学グループです。両者の学力レベルや入試難易度にどの程度の差があるのか、気になっている受験生も多いのではないでしょうか。
本記事では、偏差値や就職率といったデータを比較検討し、MARCHと成成明学の間にどの程度の差が存在するのかを具体的に解説していきます。さらに、MARCHや成成明学への合格を目指す上で効果的な学習方法についても紹介しますので、受験生はぜひ目を通してみてください。
MARCHと成成明学の概要
以下では、MARCHと成成明学がどのような大学グループなのか、概要を解説します。
MARCHとは
MARCHとは、明治大学・青山学院大学・立教大学、中央大学・法政大学の頭文字を組み合わせた大学グループの総称です。都内を中心にキャンパスを構え、関東に住む受験生に人気を集めています。
多くの学部で偏差値が50台後半から60台に位置し、関東の難関私立大学群として広く認知されています。早慶上理を志望する学生がMARCHを併願するケースもあり、しっかりとした受験対策が必要です。また、MARCHは各大学が多様な入試方式を導入しているため、志望校の入試方式の特徴を調べたうえで、自分に合った方式を選択することが合格の鍵となります。
成成明学とは
成成明学とは、成蹊大学・成城大学・明治学院大学の3大学を指す大学グループの総称です。キャンパスは東京、埼玉、神奈川にあり、MARCHと同じように関東に住む学生に人気があります。いずれの大学も文系学部が中心で、理系学部が比較的少ない点が特徴です。
関東の主要な大学グループの中では比較的小規模ですが、少人数教育を強みとしています。成成明学を構成する大学の多くの学部では、偏差値が50台中盤から後半に位置しており、日東駒専よりもややレベルが高い大学グループです。
MARCHと成成明学のレベル差は？
偏差値、就職実績、立地といった複数の要素を総合的に考慮すると、一般的には「MARCH＞成成明学」という序列で見られることが多いようです。そのため、MARCHを第一志望とする受験生が、併願校として成成明学を選択するケースも少なくありません。
成成明学は関東では人気の高い大学グループですが、関東圏外においては、その知名度がやや低下する傾向にあると言われています。一方で、MARCHは全国的に知名度が高い大学グループです。つまり知名度で比較した場合でも、この2つの大学グループ間の序列は「MARCH＞成成明学」と見なされることが多いでしょう。
数字から見るMARCHと成成明学の差
以下では、MARCHと成成明学の違いがわかるように、偏差値や倍率などのデータを比較します。
MARCHと成成明学の文系偏差値
以下は、MARCHと成成明学の文系偏差値を学部別にまとめた表です。
| 大学名 | 偏差値 |
| 明治大学 | 法学部 60.0～62.5 経営学部 60.0～65.0 情報コミュニケーション学部 60.0～62.5 国際日本学部 60.0～65.0 文学部 57.5～65.0 商学部 60.0～62.5 政治経済学部 60.0～65.0 |
| 青山学院大学 | 総合文化政策学部 60.0 国際政治経済学部 57.5～65.0 経営学部 57.5～62.5 教育人間科学部 60.0 文学部 57.5～65.0 経済学部 60.0～62.5 法学部 57.5～60.0 社会情報学部 55.0～60.0 地球社会共生学部 57.5 コミュニティ人間科学部 55.0 |
| 立教大学 | 異文化コミュニケーション学部 65.0 経営学部 62.5～65.0 社会学部 60.0～62.5 現代心理学部 60.0～62.5 経済学部 57.5～62.5 文学部 57.5～60.0 観光学部 57.5～60.0 法学部 60.0～62.5 コミュニティ福祉学部 57.5 スポーツウエルネス学部 55.0 |
| 中央大学 | 学部 57.5～62.5 国際情報学部 57.5～62.5 総合政策学部 55.0～57.5 経済学部 55.0～60.0 商学部 55.0～57.5 文学部 52.5～60.0 国際経営学部 52.5～60.0 理工学部 50.0～60.0 |
| 法政大学 | 国際文化学部 60.0～65.0 文学部 55.0～65.0 経営学部 55.0～60.0 法学部 57.5～62.5 キャリアデザイン学部 57.5～60.0 グローバル教養学部 57.5～60.0 社会学部 55.0～62.5 人間環境学部 57.5～60.0 経済学部 55.0～57.5 現代福祉学部 52.5～60.0 スポーツ健康学部 55.0～57.5 |
| 成蹊大学 | 経済学部 52.5～55.0 経営学部 52.5～57.5 法学部 50.0～55.0 文学部 50.0～55.0 |
| 成城大学 | 経済学部 52.5～55.0 文芸学部 50.0～55.0 法学部 50.0～55.0 社会イノベーション学部 52.5～57.5 |
| 明治学院大学 | 文学部 47.5～52.5 経済学部 50.0～55.0 社会学部 50.0～55.0 法学部 50.0～57.5 国際学部 50.0～52.5 心理学部 52.5～62.5 |
※2025年1月時点
表を見ると、成成明学よりもMARCHの偏差値が高いことがわかります。
最高偏差値は65.0であり、MARCHの複数の学部が該当します。
MARCHと成成明学の理系偏差値
以下は、MARCHと成成明学の理系偏差値を学部別にまとめた表です。
| 大学名 | 偏差値 |
| 明治大学 | 農学部 57.5～62.5 総合数理学部 57.5～60.0 理工学部 55.0～62.5 |
| 青山学院大学 | 理工学部 55.0～57.5 |
| 立教大学 | 理学部 57.5 |
| 中央大学 | 理工学部 50.0～60.0 |
| 法政大学 | デザイン工学部 52.5～60.0 情報科学部 52.5～57.5 理工学部 52.5～57.5 生命科学部 52.5～57.5 |
| 成蹊大学 | 理工学部 47.5～52.5 |
| 成城大学 | なし |
| 明治学院大学 | 情報数理学部 50.0～52.5 |
※2025年1月時点
表を見ると、文系偏差値と同じように、成成明学よりもMARCHの偏差値が高いことがわかります。
最高偏差値は62.5であり、明治大学の農学部と理工学部が該当します。
MARCHと成成明学の倍率
以下は、MARCHと成成明学の倍率をまとめた表です。
| 大学名 | 倍率 |
| 明治大学 | 3.9 |
| 青山学院大学 | 3.8 |
| 立教大学 | 3.4 |
| 中央大学 | 3.5 |
| 法政大学 | 4.3 |
| 成蹊大学 | 3.6 |
| 成蹊大学 | 3.0 |
| 明治学院大学 | 2.6 |
※2024年度 大学計
このなかで最も倍率が高い大学は法政大学であり、4倍を超えています。
平均で見ると、成成明学よりもMARCHの倍率が高いです。
MARCHと成成明学の学生数
以下は、MARCHと成成明学の学生数をまとめた表です。
| 大学名 | 学生数（人） |
| 明治大学 | 32,730 |
| 青山学院大学 | 19,677 |
| 立教大学 | 19,621 |
| 中央大学 | 26,669 |
| 法政大学 | 28,618 |
| 成蹊大学 | 7,634 |
| 成城大学 | 5,720 |
| 明治学院大学 | 12,478 |
※2024年時点
表を見ると、MARCHのほうが成成明学よりも学生数が多いことがわかります。ワンキャンパスの成蹊大学と成城大学は、10,000人未満と比較的小規模です。
MARCHと成成明学の就職実績に差はある？
以下では、MARCHと成成明学の就職実績の差がわかるよう、就職率と卒業後の進路を比較します。
MARCHと成成明学の就職率
以下は、MARCHと成成明学の就職率に関する表です。
| 大学名 | 就職率（％） |
| 明治大学 | 95.6 |
| 青山学院大学 | 95.4 |
| 立教大学 | 97.7 |
| 中央大学 | 96.7 |
| 法政大学 | 98.4 |
| 成蹊大学 | 97.4 |
| 成城大学 | 98.2 |
| 明治学院大学 | – |
※2023年度
表を見ると、MARCHと成成明学のどの大学も高い就職率となっています。
大手にこだわらなければ、MARCHと成成明学のどちらもスムーズに就職活動を進められるでしょう。
大手企業を目指す場合はMARCHのほうが有利
MARCHと成成明学の就職率を比較すると大きな差はありませんが、全国的には成成明学よりもMARCHの知名度が高い状況です。有名企業への就職を考えているのであれば、知名度や偏差値が高いMARCHを選んだほうがよいでしょう。
企業によっては、MARCHと成成明学の間に学歴フィルターが存在するケースがあります。MARCHに入ることで、将来の選択肢の幅が広がるでしょう。
MARCHと成成明学の入試難易度の差は？
以下では、MARCHと成成明学の入試難易度の差と必要な対策を解説します。MARCHと成成明学のどちらを受験すればよいか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
MARCHのほうがやや難しい
MARCHと成成明学の入試難易度を比較すると、一般的には、偏差値が高いMARCHの方が入試難易度が高いとされています。ただし、成成明学においても、学部によっては独自性の高い問題が出題されることがあるため、志望校の入試傾向のリサーチが欠かせません。
入試傾向を調べる際は、赤本を活用しましょう。赤本には過去の入試問題とその詳細な解説が掲載されています。実際に解いてみると、志望校の入試の問題形式や頻出分野などを把握できるでしょう。同時に、自身の現在の学力レベルを客観的に把握する上でも役立ちます。
MARCHも成成明学も基礎固めを優先する
MARCHと成成明学のどちらを目指すにしても、基礎学力の習得が最優先です。基礎を着実に積み重ねることが、応用問題を解くための土台となります。遅くとも高校3年生の夏休みまでには、一通りの基礎固めを済ませておきましょう。
頻出分野の特定や入試傾向の分析などをすべて自力で行うには、多くの時間が必要です。学習時間の確保やスケジュール管理に不安がある場合は、塾や予備校の利用を検討しましょう。塾や予備校に通うと、MARCHや成成明学の対策に特化した授業が受けられます。
まとめ
偏差値、就職状況、知名度などを総合的に見ると、一般的にはMARCHが成成明学よりも上位の大学グループと見なされることが多いでしょう。ただし、MARCH、成成明学いずれを目指す場合でも、志望校の入試傾向に合わせた対策は不可欠です。後悔することがないように、過去問演習や基礎固めに力を入れましょう。
もし独力での弱点分析や克服に限界を感じる場合は、予備校や塾の利用をおすすめします。塾・予備校を探している高校生・浪人生は「イチオシ予備校一覧ページ」をチェックしてみてください。
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