MARCH志望者は、滑り止めの大学も併せて受験することがおすすめです。滑り止め校の受験は、試験会場の雰囲気に慣れたり、浪人するリスクが減らせたりなどのメリットがあります。入試日程や費用、学べる内容などさまざまな面を考慮しながら、自身に合った大学を滑り止め校として選びましょう。
本記事では、MARCH志望者におすすめの滑り止め校や、選ぶポイントについて解説します。また、滑り止め校を受験するメリットや注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
MARCHの滑り止めを検討する前に確認したい項目

まず、MARCHの滑り止め校を検討する前に、確認すべき項目について解説します。
滑り止め校を受験するメリット
MARCHの受験だけに絞ると、「浪人したらどうしよう」という不安が大きくなり、試験当日に実力を発揮できなくなる可能性があります。滑り止め校に合格すれば、全落ちを心配する必要がありません。浪人しなくて済むという安心感から、余裕を持ってMARCHの受験に臨めるようになります。
また、入試当日に実力を出し切るには、会場の雰囲気に慣れることが大切です。滑り止め校の試験でも、本番特有の緊張感を味わえます。MARCHよりも先に滑り止め校を受験しておくと、本命校の試験当日に向けた練習となるでしょう。
滑り止めは2校に絞る
私立大学は入試の日程が被らなければ、何校でも受験可能です。受験する大学は、志望校・実力相応校・滑り止め校に分けると設定しやすいでしょう。
ただし、受験校を増やしすぎると大学ごとの対策が必要となり、より多くの勉強時間を確保しなくてはなりません。余裕を持って受験勉強に取り組みたいのであれば、合計5校程度の大学を受験するのが妥当です。費用面や体力面の負担を考慮するのであれば、滑り止めの大学は2校に絞りましょう。
高校3年生の夏頃までには滑り止め校を決めておく
早い時期に滑り止め校を決めておくと、計画作りや出願準備がスムーズになります。夏休みが終わる頃までには、志望校と滑り止め校を確定させておくのがおすすめです。ただし、試験本番までの限られた時間のなかでは、滑り止め校よりもMARCHの情報収集や受験対策を優先的に進める必要があります。
滑り止め校は、第一志望となる大学の受験科目や偏差値などを考慮しながら選んでください。なかなか決められない場合は、オープンキャンパスでの雰囲気や模試の結果をもとに絞り込みましょう。
【文系】MARCHの滑り止めにおすすめの大学

以下では、各大学の偏差値をもとに、MARCHの滑り止めにおすすめの文系大学を紹介します。
二松学舎大学
MARCHの文学・経済・法律系の学部を目指す方にとって、滑り止めに適した大学です。
| 学部 | 偏差値 |
| 文学部 | 45.0~52.5 |
| 国際政治経済学部 | 40.0~45.0 |
二松学舎大学には、文学部と国際政治経済学部の2学部が設置されており、多くの学科の偏差値が40台となっています。そのため、MARCH志望者にとって、合格しやすい大学といえます。
獨協大学
獨協大学も、MARCHの滑り止めに適した大学といえます。
| 学部 | 偏差値 |
| 外国語学部 | 45.0~55.0 |
| 国際教養学部 | 52.5 |
| 経済学部 | 45.0~52.5 |
| 法学部 | 47.5~52.5 |
獨協大学には、4つの学部が設置されています。MARCHの経済・法・国際系の学部を志望する方におすすめです。一部、偏差値がMARCHと同程度の学部もありますが、偏差値40台の学部であれば滑り止めの候補に入るでしょう。
東京経済大学
東京経済大学も、MARCHの滑り止めに適した大学といえます。
| 学部 | 偏差値 |
| 経済学部 | 45.0~47.5 |
| 経営学部 | 45.0 |
| コミュニケーション学部 | 45.0~52.5 |
| 現代法学部 | 42.5 |
| キャリアデザインプログラム | 45.0~47.5 |
東京経済大学には、5つの学部が設置されています。一部の学科は偏差値が50を超えていますが、大半の学科は45.0前後です。
コミュニケーション学部は、「メディア」と「国際」の専門性を組み合わせた学びを展開する学部です。東京経済大学は、法・経済系だけでなく、国際・メディア系の学部を志望する方にも滑り止め校に向いています。
【理系】MARCHの滑り止めにおすすめの大学
続いて、各大学の偏差値をもとに、MARCHの滑り止めにおすすめの理系大学を紹介します。
東京都市大学
東京都市大学は、MARCHの理系学部を志望する方にとって、滑り止めにおすすめの大学です。
| 学部 | 偏差値 |
| 理工学部 | 50.0~55.0 |
| 建築都市デザイン学部 | 52.5~55.0 |
| 情報工学部 | 52.5~55.0 |
| 環境学部 | 45.0~47.5 |
| メディア情報学部 | 47.5~52.5 |
| デザイン・データ科学部 | 47.5 |
| 都市生活学部 | 50.0 |
| 人間科学部 | 45.0 |
東京都市大学には、8つの学部が設置されています。偏差値40台の学部が多く、工学・デザイン・情報など、MARCHの理系学部と似た分野がそろっています。なお、偏差値50以上の学部は、滑り止めとしてはあまり適していません。滑り止めの候補には偏差値40台の学部を検討しましょう。
東京電機大学
東京電機大学も、MARCHの滑り止めに適した大学といえます。
| 学部 | 偏差値 |
| システムデザイン工学部 | 52.5~55.0 |
| 未来科学部 | 47.5~55.0 |
| 工学部 | 47.5~52.5 |
| 理工学部 | 45.0~52.5 |
| 工学部第二部 | 37.5~40.0 |
東京電機大学は、工学系の学部が充実しており、メディア学を学べる学科も設置されています。そのため、MARCHの理工学部や、情報・メディア系の学部を志望する方にはおすすめの大学といえます。ただし、偏差値が50以上の学部が多く、自身の学力によっては滑り止めにならない可能性があるので、注意しましょう。
名城大学
名城大学も、MARCHの滑り止めに適した大学といえます。
| 学部 | 偏差値 |
| 法学部 | 45.0 |
| 経営学部 | 47.5~50.0 |
| 経済学部 | 47.5~55.0 |
| 外国語学部 | 50.0~52.5 |
| 人間学部 | 47.5~50.0 |
| 都市情報学部 | 47.5 |
| 情報工学部 | 52.5~55.0 |
| 理工学部 | 47.5~55.0 |
| 農学部 | 50.0~55.0 |
| 薬学部 | 47.5~50.0 |
名城大学は、文系・理系ともに偏差値40台の学部が充実していますが、理系の学べる領域が広い点が特徴です。建築・電子工学・数学など、MARCHの理系学部と重なる分野がそろっています。
ただし、名城大学は名古屋市を中心にキャンパスを擁しています。首都圏の大学に進学したいと考えている方には不向きといえるでしょう。
【女子大】MARCHの滑り止めにおすすめの大学

大妻女子大学
大妻女子大学は、MARCHを志望する方にとって、滑り止めにおすすめの大学です。
| 学部 | 偏差値 |
| 家政学部 | 40.0~52.5 |
| 文学部 | 35.0~40.0 |
| 社会情報学部 | 42.5~45.0 |
| 人間共生学部 | 37.5~40.0 |
| 比較文化学部 | 37.5 |
| データサイエンス学部 | 40.0 |
大妻女子大学には、6つの学部が設置されています。文学・経済・国際文化など、文系の多様な分野が学べる大学です。データサイエンスや食物学など、文系と理系の要素が融合した学部もあります。
偏差値は30~40台の学部が多く、文系のMARCH志望者にとって、滑り止めに適した大学といえます。
実践女子大学
実践女子大学は、MARCHの滑り止めに適した大学といえます。
| 学部 | 偏差値 |
| 文学部 | 40.0~47.5 |
| 人間社会学部 | 47.5~50.0 |
| 国際学部 | 45.0 |
| 生活科学部 | 40.0~42.5 |
| 環境デザイン学部 | 45.0 |
| 食科学部 | 40.0~45.0 ※2026年4月開設 |
実践女子大学には、文学や国際などの文系学部がそろっています。環境デザイン学部は、建築デザインやファッションデザインなど、多様な視点からデザイン学を学べる文理融合型の学部です。
実践女子大学は、多くの学部の偏差値が40台となっています。MARCHの文学・社会学・国際系の学部を志望する方や、デザインに興味がある方にとっては、滑り止め校に向いている大学といえます。
MARCHの滑り止めの大学を選ぶポイント

ここからは、MARCHの滑り止めの大学を選ぶ際に、偏差値以外で考慮すべきポイントを解説します。第一志望ではないにせよ、万が一に備えることは大切です。以下の内容を参考に、慎重に選ぶようにしてください。
入試の日程
MARCHの滑り止め校を選ぶ際は、各大学の入試日程を考慮する必要があります。まずは、志望校と滑り止め校の入試日程が被っていないかを確認しましょう。志望校の入試で実力を発揮できるように、連日の受験は避けるようにしましょう。
また、入試のスケジュールは、滑り止め校を先に、志望校をあとにすることをおすすめします。最初に志望校を受験すると、志望校の入試で万が一うまくいかなかったときに、以降の試験へのモチベーションが下がる可能性があります。
模試の判定
滑り止め校は、合格する可能性が高い大学を選ぶことが大切です。模試でA判定を取っている大学であれば、滑り止め校として安心して受験できるでしょう。ただし、模試の判定はあくまで目安であり、模試を受験した時点での実力です。以降の勉強量や問題形式との相性によっては、結果が変わる可能性があります。
模試の判定だけでなく、過去問の正答率も確認しましょう。滑り止め校は、過去問で9割以上の問題を解ける大学が理想です。
入試科目
滑り止め校を選ぶ際は、入試科目もチェックしましょう。志望校の入試科目が「英語・国語」であるのに対し、滑り止め校の入試科目が「英語・国語・数学」である場合、数学の対策を新たにはじめなければなりません。対策の負担を減らすなら、志望校と入試科目が同じ大学を選びましょう。
また、入試科目だけでなく、各大学の入試傾向も確認することをおすすめします。ひねりのある問題の出題頻度が高い大学は、なるべく避けたほうが良いでしょう。独自の対策が必要となり、志望校対策に支障をきたす可能性があります。
費用
滑り止め校の受験を検討する際は、費用面にも注目しましょう。受験校を増やせば増やすほど、受験料の負担が大きくなります。試験会場が自宅から離れている場合、交通費や宿泊費がかかる点にも注意が必要です。
また、各大学の入学金締切日も確認しておきましょう。志望校の合格発表日よりも前に、滑り止め校の入学金締切日が設けられている場合、入学金を納入しなくてはなりません。複数の大学に入学金を納入すると、費用負担が大きくなるため、保護者と事前に相談することが大切です。
学べる内容
充実したキャンパスライフを送りたい場合、学びたいことを学べる大学を選ぶことが大切です。確実に合格できそうだからといって、あまり興味がない学部を受験するのは避けましょう。MARCHやほかの併願校に合格できなかった場合、滑り止めの大学に入学することになります。
興味・関心のある大学をある程度絞り込んだら、各大学のホームページやオープンキャンパスで、具体的に学べる内容や設備などを確認しましょう。
まとめ
MARCHの滑り止め校を選ぶ際は、偏差値だけでなく、受験科目や入試日程なども考慮することが大切です。滑り止め校だからといってあまり考えずに決めると、実際に入学することになった際に後悔してしまいます。MARCHやほかの併願校に受からなかった場合を考え、興味・関心のある分野を学べる滑り止め校を選びましょう。
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