近年、巷では「法政大学がMARCHから外れるのではないか」と噂されています。偏差値の開きや入試の多様化が背景に挙げられますが、こうした議論が広がるなかで、新たな大学群として注目されているのが「SMART」です。
本記事では、法政大学がMARCHから外れるといわれる理由や、SMARTの概要についてわかりやすく解説します。法政大学の強みや魅力も紹介するので、法政大学への受験を考えている人は参考にしてください。
MARCHとは

MARCHとは、関東にある5つの大学の頭文字を取った大学グループです。偏差値・知名度ともに優れており、首都圏の有名私立大学を代表する存在として広く認知されています。文系・理系ともに学べる分野が幅広く、学問の選択肢が豊富であることもMARCHの大きな特徴です。
また、MARCHの各大学は就職実績も評価されており、大手企業への就職率も比較的高い水準を維持しています。キャンパス環境や立地の良さ、学生生活の充実度なども受験生から支持される理由の一つです。
法政大学がMARCHから外れるといわれる3つの理由

次に、法政大学がMARCHから外れるといわれる3つの理由を紹介します。
理由1:偏差値差が大きい
以下は、MARCHの偏差値の表を大学別にまとめた表です。
| 大学 | 偏差値 |
|---|---|
| 明治大学 法学部 | 60.0~62.5 |
| 明治大学 経営学部 | 62.5~67.5 |
| 明治大学 情報コミュニケーション学部 | 60.0~62.5 |
| 明治大学 国際日本学部 | 60.0~65.0 |
| 明治大学 文学部 | 57.5~65.0 |
| 明治大学 商学部 | 62.5 |
| 明治大学 政治経済学部 | 60.0~62.5 |
| 明治大学 農学部 | 60.0~62.5 |
| 明治大学 総合数理学部 | 57.5~62.5 |
| 明治大学 理工学部 | 57.5~62.5 |
| 青山学院大学 総合文化政策学部 | 60.0 |
| 青山学院大学 国際政治経済学部 | 60.0~65.0 |
| 青山学院大学 経営学部 | 60.0 |
| 青山学院大学 教育人間科学部 | 60.0 |
| 青山学院大学 文学部 | 57.5~65.0 |
| 青山学院大学 経済学部 | 60.0~62.5 |
| 青山学院大学 法学部 | 60.0 |
| 青山学院大学 社会情報学部 | 57.5~60.0 |
| 青山学院大学 地球社会共生学部 | 57.5 |
| 青山学院大学 コミュニティ人間科学 | 55.0 |
| 青山学院大学 理工学部 | 52.5~60.0 |
| 立教大学 異文化コミュニケーション学部 | 65.0 |
| 立教大学 経営学部 | 62.5 |
| 立教大学 社会学部 | 60.0~62.5 |
| 立教大学 現代心理学部 | 60.0~62.5 |
| 立教大学 経済学部 | 57.5~60.0 |
| 立教大学 文学部 | 57.5~62.5 |
| 立教大学 観光学部 | 57.5 |
| 立教大学 法学部 | 60.0 |
| 立教大学 コミュニティ福祉学部 | 57.5 |
| 立教大学 スポーツウエルネス学部 | 57.5 |
| 立教大学 理学部 | 55.0~57.5 |
| 中央大学 法学部 | 57.5~62.5 |
| 中央大学 国際情報学部 | 57.5~60.0 |
| 中央大学 総合政策学部 | 57.5~60.0 |
| 中央大学 経済学部 | 57.5~62.5 |
| 中央大学 商学部 | 57.5~60.0 |
| 中央大学 文学部 | 52.5~60.0 |
| 中央大学 国際経営学部 | 60.0 |
| 中央大学 基幹理工学部 | 55.0~60.0 |
| 中央大学 社会理工学部 | 55.0~60.0 |
| 中央大学 先進理工学部 | 57.5~60.0 |
| 法政大学 国際文化学部 | 60.0~62.5 |
| 法政大学 文学部 | 55.0~62.5 |
| 法政大学 経営学部 | 57.5~62.5 |
| 法政大学 法学部 | 57.5~60.0 |
| 法政大学 キャリアデザイン学部 | 57.5~60.0 |
| 法政大学 グローバル教養学部 | 60.0~62.5 |
| 法政大学 社会学部 | 55.0~62.5 |
| 法政大学 人間環境学部 | 55.0~57.5 |
| 法政大学 経済学部 | 55.0~60.0 |
| 法政大学 現代福祉学部 | 52.5~60.0 |
| 法政大学 スポーツ健康学部 | 55.0~57.5 |
| 法政大学 デザイン工学部 | 55.0~60.0 |
| 法政大学 情報科学部 | 55.0~57.5 |
| 法政大学 理工学部 | 52.5~57.5 |
| 法政大学 生命科学部 | 52.5~57.5 |
※2025年10月時点
MARCHの偏差値を比較すると「明治・青山学院・立教」と「中央・法政」の間に差があることがわかります。また、学部によっては、法政大学よりも日東駒専の上位学部のほうが上回る場合もあります。
理由2:都心回帰の加速
MARCHの各大学は、アクセスや学生の減少などを背景に、都心回帰の動きが見られます。
・明治大学:2013年4月、中野キャンパス(東京都中野区)を設置
・青山学院大学:2013年4月、人文社会系学部の就学キャンパスを、相模原キャンパス(神奈川県相模原市)から青山キャンパス(東京都渋谷区)に統合
・中央大学:2023年4月、法学部が多摩キャンパス(東京都八王子市)から茗荷谷キャンパス(東京都文京区)へ移転
MARCHのなかでは、法政大学と同様に下位大学とされる中央大学がキャンパスを移転したことで、「法政大学がMARCHから外れるのでは」という印象を持つ人もいるようです。
理由3:推薦入試枠の増加
近年、法政大学では推薦入試での入学者数が増えています。推薦入試に対して「一般入試よりも簡単に入れる」というイメージを持つ人も少なくありません。こうした印象が、法政大学がMARCHから外れるといわれる理由の一つとなっています。
しかし、推薦入試では課外活動の実績や小論文、面接などを総合的に評価するため、簡単に合格できるわけではありません。また、推薦枠の拡大は法政大学に限らず、MARCH各校をはじめ多くの大学で共通して見られる傾向です。
新大学群「SMART」について

大学群の呼称として、近年注目されているのが「SMART」です。以下では、SMARTの概要やMARCHとの違いについて詳しく解説します。
SMARTとは
SMARTとは、上智大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・東京理科大学の頭文字を取った大学群の名称です。従来のMARCHから中央大学と法政大学を外し、代わりに上智大学と東京理科大学を加えた構成となっています。
特に、上智大学や東京理科大学をMARCHより上位に位置付ける見方が強まり、「MARCHと早慶の中間層」を表す新たな大学群として注目を集めています。SMARTが浸透すると、形式上はMARCHから法政大学と中央大学が外れたように見えるでしょう。
SMARTが定着する可能性は?
現時点では、「SMART」がおもに使われているのは予備校や進学情報サイトなどで、受験生や一般の保護者の間ではMARCHのほうが浸透しているようです。
また、MARCHは長年にわたって首都圏の私立大学群として知名度を確立しています。そのため、SMARTが完全にMARCHに取って代わるには、長い時間がかかるでしょう。こうした現状を踏まえると、MARCHから法政大学が外れる可能性は低いといえます。
法政大学の魅力は?

法政大学は、偏差値面ではMARCHのなかでレベルが低いとされるものの、教育や設備においては高く評価されています。
以下では、法政大学の3つの魅力を紹介します。
多彩なグローバル教育を展開している
法政大学は、国際色豊かな教育を提供しています。魅力の一つが、2週間から1ヵ月程度の短期プログラム「短期語学研修」です。語学力の習得と異文化への理解を目的に、春季・夏季休暇中に実施されます。
また、「グローバル・オープン科目」は国際社会のリーダーの育成を目的とした、全学部生が受講できる科目群です。英語力が一定以上の学生は、英語のみで授業が進行する特定科目を受講できます。グローバル社会で通用するスキルを身に付けたい人にとって、法政大学は理想的な環境といえるでしょう。
実践教育に力を入れている
法政大学では、ボランティアやインターンシップなど、実践的教育の機会が豊富に用意されています。国内外問わずさまざまな現場に足を運び、現地の人々との関わりから、コミュニケーション力やチームワークを養えます。社会で即戦力となるスキルが身に付き、キャリア形成にもつながるでしょう。
法政大学の教員と、学外の団体や企業との共同企画も大きな強みです。「課題解決型フィールドワーク」では、学部・学科問わずすべての学生が受講できます。
理系分野が充実している
法政大学以外の4校は文系学部が中心ですが、法政大学は理系学部の比率が高くなっています。情報工学・建築・デザインなど、学びの幅が広い点が魅力です。なかでも情報科学部では、データサイエンスをはじめ、現代のニーズに沿った分野を学べます。
また、理系の学生が通う小金井キャンパスには、最先端の技術や科学を学べる施設がそろっています。演習科目を通じて、実社会で求められるスキルを体験的に身に付けられるところも特徴です。
法政大学の合格に近づく勉強法

MARCHから外れるといわれている法政大学も、合格するには戦略的な対策が必要です。以下では、法政大学への合格に向けた勉強法を解説します。
現状を把握したうえで計画を立てる
まずは、法政大学合格に必要なレベルと現在の実力との差を明確にすることが合格への第一歩です。模試や過去問を活用して、科目ごとの得意・不得意を洗い出しましょう。現状を客観的に把握できれば、「いつまでにどの科目をどのレベルまで仕上げるか」といった具体的な勉強スケジュールを立てやすくなります。
また、法政大学は学部によって出題傾向が大きく異なります。そのため、志望学部の入試科目と問題形式を早めに確認しておくことも大切です。定期的に模試を受けて自身のレベルをチェックし、苦手の克服に力を入れることで、着実に合格に近づけます。
塾や予備校へ通う
法政大学合格を目指すには、独学では見落としやすい出題傾向の分析や時間配分の対策などが鍵となります。
自力での学習が難しいと感じる場合は、塾や予備校の活用がおすすめです。専門講師による過去問分析に基づいた指導や、一人ひとりのレベルに合わせたカリキュラムで効率的に学力を伸ばせます。出題形式を熟知しているプロから解き方のコツを学ぶことで、得点力を大きく伸ばせるでしょう。
また、周囲に同じ目標を持つ仲間がいることで、モチベーション維持にもつながります。学習環境を整えることが、法政大学合格への近道です。
まとめ
法政大学がMARCHから外れるといわれている理由として、偏差値差や都心回帰の加速などが挙げられます。しかし実際には、実践的なカリキュラムやグローバル教育の推進など、法政大学ならではの取り組みが進んでいます。理系分野の学びや研究にも力を入れており、幅広い分野で活躍できる環境が整った大学です。
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