理系志望の場合、四工大と日東駒専のどちらを選べばよいのか迷っている方もいるでしょう。四工大は専門的なスキルを効率良く身に付けられる体制が整っている一方で、日東駒専は専攻以外の多彩な分野も幅広く学べます。
本記事では、四工大と日東駒専の偏差値や就職率を比較します。各大学がおすすめの人の特徴についても解説するので、志望校選びに悩んでいる受験生は参考にしてみてください。
四工大と日東駒専の概要

まずは、四工大と日東駒専がそれぞれどのような大学群なのかを解説します。
四工大とは
四工大とは、都内に本部を置く理工系の4大学をまとめた呼称です。芝浦工業大学・東京電機大学・東京都市大学・工学院大学で構成されています。理系の教育に特化した大学が集まっており、文系学部は基本的に設置されていません。大学同士が公式に連携協定を結んで形成されたグループである点が大きな特徴です。
教育面では、実験・実習などの実践的な学びを重視するカリキュラムが中心です。四工大の卒業生は大手メーカー・IT・インフラなど幅広い技術系分野で活躍しています。
日東駒専とは
日東駒専とは、日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の4校をまとめた、首都圏で広く使われている大学群の呼称です。関東では、MARCHに次ぐ中堅私大グループとして知名度が高く、受験生から根強い人気があります。
四工大とは異なり、日東駒専は文系・理系ともに学部が幅広く設置されています。特に、文学・経済・法学などの文系学部が充実している点が大きな特徴です。また、各大学はスポーツやメディアで活躍する卒業生も多いため、世間的な知名度・ブランド力の面でも高い評価を得ています。
四工大と日東駒専の難易度や就職実績を比較

次に、四工大と日東駒専のレベル差がわかるように、偏差値と就職率を比較します。
四工大と日東駒専の偏差値
以下は、四工大と日東駒専理系の偏差値に関する表です。
| 大学 | 偏差値 |
|---|---|
| 芝浦工業大学 工学部 | 52.5~57.5 |
| 芝浦工業大学 システム理工学部 | 52.5~57.5 |
| 芝浦工業大学 デザイン工学部 | 52.5~55.0 |
| 芝浦工業大学 建築学部 | 55.0~60.0 |
| 東京電機大学 システムデザイン工学部 | 52.5~55.0 |
| 東京電機大学 未来科学部 | 47.5~55.0 |
| 東京電機大学 工学部 | 47.5~52.5 |
| 東京電機大学 理工学部 | 47.5~52.5 |
| 東京電機大学 工学部第二部 | 37.5~40.0 |
| 東京都市大学 理工学部 | 50.0~55.0 |
| 東京都市大学 建築都市デザイン学部 | 52.5~55.0 |
| 東京都市大学 情報工学部 | 52.5~55.0 |
| 東京都市大学 環境学部 | 45.0~47.5 |
| 東京都市大学 メディア情報学部 | 47.5~50.0 |
| 東京都市大学 デザイン・データ科学部 | 47.5 |
| 東京都市大学 都市生活学部 | 50.0 |
| 東京都市大学 人間科学部 | 45.0 |
| 工学院大学 先進工学部 | 50.0~57.5 |
| 工学院大学 工学部 | 52.5~55.0 |
| 工学院大学 建築学部 | 55.0~57.5 |
| 工学院大学 情報学部 | 52.5~55.0 |
| 日本大学 理工学部 | 42.5~52.5 |
| 日本大学 生産工学部 | 37.5~45.0 |
| 日本大学 工学部 | 35.0~42.5 |
| 日本大学 医学部 | 65.0 |
| 日本大学 歯学部 | 47.5~52.5 |
| 日本大学 松戸歯学部 | 35.0~37.5 |
| 日本大学 生物資源科学部 | 40.0~62.5 |
| 日本大学 薬学部 | 45.0~50.0 |
| 東洋大学 情報連携学部 | 47.5~52.5 |
| 東洋大学 健康スポーツ科学部 | 42.5~52.5 |
| 東洋大学 理工学部 | 45.0~50.0 |
| 東洋大学 総合情報学部 | 45.0~50.0 |
| 東洋大学 生命科学部 | 45.0~50.0 |
| 東洋大学 食環境科学部 | 45.0~50.0 |
| 駒澤大学 医療健康科学部 | 47.5~50.0 |
| 専修大学 ネットワーク情報学部 | 42.5~50.0 |
※2025年10月時点
四工大は、多くの学部が偏差値45.0~55.0の範囲に位置しています。一方、日東駒専の理系は40台~50台前半が中心で、大学によって難易度に開きがある点が特徴です。
特に日本大学は学部・学科数が多いため、最高偏差値が65.0と高い学部がある一方で、35.0の学部も存在するなど、偏差値の差が大きくなっています。理系に限定した場合、日東駒専よりも四工大のほうが全体として偏差値がやや高めといえるでしょう。
四工大と日東駒専の就職率
以下は、四工大と日東駒専の就職率に関する表です。
| 大学 | 就職率(%) |
|---|---|
| 芝浦工業大学 ※2024年度 | 99.3 |
| 東京電機大学 ※2025年度 | 99.2 |
| 東京都市大学 ※2024年度 | 98.4 |
| 工学院大学 ※2022~2024年度 | 94.0 |
| 日本大学 | データなし |
| 東洋大学 ※2025年度 | 98.5 |
| 駒澤大学 ※2024年度 | 97.3 |
| 専修大学 ※2024年度 | 99.1 |
いずれも90%以上と非常に高い水準を維持しています。理工系に強い四工大はもちろん、幅広い学部を抱える日東駒専も安定した就職実績を持っており、就職率に大きな差は見られません。
両大学群ともにキャリア支援が手厚く、企業とのつながりも強いため、学生が就職活動を進めやすい環境が整っています。したがって、就職のしやすさだけで比較するのではなく、学びたい分野や大学ごとの特色を踏まえて志望校を選ぶことが重要です。
四工大の魅力

四工大は、実践的な理工系教育と高い就職実績を兼ね備えた私立大学群として多くの受験生から注目されています。以下では、四工大の2つの魅力を解説します。
専門性の高い知識が身に付く
四工大は、理系分野の学びに特化した大学群であり、専門性の高いカリキュラムが充実しています。講義だけでなく、実験・実習・プロジェクト型授業が多く取り入れられており、座学では身に付けにくいスキルを養える点が特徴です。実社会で求められる知識と技術を、学生のうちに習得できます。
実際に四工大は、大手メーカーや建設業界、ITを中心に技術職やエンジニア職の就職実績が豊富です。専門分野を極めたい学生にとって、四工大は有力な環境といえるでしょう。
単位互換制度を導入している
四工大では「単位互換制度」を導入しています。この制度を利用すると、自身が通う大学では扱っていない分野の講義を受けることが可能です。取得した単位は所属大学の単位とみなされるため、学びの幅を広げながらも、無理のない形で履修計画を立てられる点が魅力です。
また、単位互換制度は学習面だけでなく、人脈形成にも役立ちます。ほかの大学の学生とともに授業を受けることで、新しい価値観や考え方に触れ、視野を広げるきっかけにもなるでしょう。単位互換制度を活用することで、専門性を深めながらも柔軟な学びを実現できます。
四工大を目指す前に確認したい項目

四工大を志望校にする前に、大学ごとの特徴や自身の興味・関心をしっかり把握しておくことが大切です。以下では、四工大を目指す前に確認すべき2つの項目を解説します。
課題の負担が大きい
四工大は、工学・理学を専門的に学ぶ大学であり、実験や実習の比重が高い点が特徴です。課題やレポートの量も多く、「のんびりとキャンパスライフを過ごしたい」という方には合わない可能性があります。また、サークル活動に力を入れたい方やアルバイトの時間をしっかりと確保したい方にとっても、四工大の学習量は負担に感じられるでしょう。
とはいえ、在学中の忙しさは、社会人として必要となる問題解決能力や専門スキルを鍛える貴重な機会でもあります。大学での経験が実務へと結び付く点は、四工大ならではの強みといえるでしょう。
学べる学問が限られている
四工大は理系学部のみで構成される単科大学であり、文系学部や総合系学部はありません。そのため、学べる領域は工学・理学・情報系を中心とした比較的狭い範囲に限定されています。
理系に特化して深く学べるという強みでもありますが、文系分野に進路変更しにくいと感じる方もいるでしょう。営業やマーケティングなど理系以外の職種を目指す場合、アピールポイントが少なくなり、就職活動がやや不利になる可能性もあります。したがって、大学で幅広く分野を横断的に学びたい方には、四工大は不向きといえます。
四工大と日東駒専のどちらがおすすめ?

最後に、四工大と日東駒専のどちらを選ぶべきか迷っている方に向けて、それぞれがおすすめの人の特徴を解説します。
四工大がおすすめの人
四工大は、理系の専門スキルを伸ばしたい方に向いています。工学・情報・理学などの技術系分野に特化しており、入学後は高度な専門科目を集中的に学ぶことが可能です。データサイエンスやAIなど、現代社会において必要不可欠な分野を取り入れている大学もあります。情報・データ系の職種を目指す方には、魅力的な選択肢となるでしょう。
四工大は理系教育に特化している分、実践的なスキルが身に付き、就職活動で専門性の高さをアピールできる点もメリットです。
日東駒専がおすすめの人
日東駒専は、文系・理系どちらの分野も扱う総合大学であり、幅広い学問領域を横断して学べる点が魅力です。入学時に将来の方向性が定まっていない方や、大学で新しい分野に出会いたい方に向いています。
総合大学ならではの科目選択の自由度や、異なる学部の学生と交流できる環境は、自身の興味や関心をゆっくり探したい方にとって大きなメリットといえるでしょう。また、企業の総合職・営業・企画など、文系を中心とした幅広い職種を目指しやすい点も特徴です。
まとめ
四工大は、社会で即戦力となるような専門分野を深く学びたい方におすすめです。一方で、文理を横断しながら幅広い分野に触れたい方には、日東駒専が向いています。
なお、四工大と日東駒専はいずれも出題範囲が広く、効率良く学力を伸ばすためには早い段階から受験対策を固めることが重要です。特に独学では弱点の把握が難しい場合もあるため、塾や予備校を活用するのも有効な方法といえます。
塾・予備校を探している高校生・浪人生は「イチオシ予備校一覧ページ」をチェックしてみてください。
自分に合った学習スタイルは見えてきただろうか?
具体的に予備校を比較してみよう






