大学受験で使う英単語の数は何個?覚え方やおすすめの英単語帳5選
幅広い教科の勉強が必要な大学受験において、多くの受験生が「英単語をどのくらい覚えるべきか」を悩みます。英単語力は長文問題やリスニング問題など、英語教科全体の得点に影響する重要度の高い能力です。しかし他の教科の勉強もあるので「英単語の勉強は必要最低限に抑えたい」と考える受験生も少なくありません。
そこで今回は、大学受験で使う英単語の数を志望校のレベル別に解説します。効果的な覚え方やおすすめの英単語帳も紹介するので、どのように英単語学習を進めようか悩む方はぜひ参考にしてください。
大学受験に必要な英単語は何個?レベル別に必要な数を解説
はじめに、大学受験で覚えるべき英単語数の目安を解説します。
理系か文系か、あるいは志望校の難易度によって必要な単語数は異なりますが、ここでは大学入学共通テストと難関大学の入試問題に分けてレベル別に解説します。
大学入学共通テストで必要な英単語数
大学入学共通テストで必要な英単語数の目安は、約4,000語〜6,000語と言われています。
一般的に、中学校教育で学習できる英単語数が約1,600語〜1,800語、高校教育で学習する英単語数は約2,000語〜2,500語です。この2つを合計すると、中学から高校卒業までに約3,600語~4,300語の英単語を網羅できる計算になります。
つまり大学入学共通テストで安定して得点を稼ぐためには、学校での英語の授業にプラスして約400語〜1,700語の追加学習が必要です。あくまで目安ですが、英単語帳を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。
難関大学に必要な英単語数
難関大学の入試問題では約6,000語〜7,000語の英単語学習が必要だと言われており、学校の授業で習う英単語数の約2倍です。大学入学共通テストと比較しても出題の幅が広く、安定して得点を稼ぐにはより多くの学習時間が必要だと分かります。
1冊の英単語帳で覚えられる英単語数は種類によっても異なりますが、多いもので約2,000語です。そのため、志望校のレベルによっては2冊以上の英単語帳を学習する必要があります。
大学受験に合格するための英単語の効果的な覚え方とは?
大学受験に必要な英単語数を網羅するためには、勉強効率を高めることが重要です。受験勉強は、英語問題以外にもさまざまな教科の勉強が必要だからです。
ここでは、大学受験に合格するための英単語の効果的な覚え方を解説します。
自分に合った記憶方法を知り、実践する
英単語を効率よく覚えるためには、自分に合った記憶方法を知り、実践しましょう。
一般的に、学校の授業では英単語を「書いて覚える」学習方法を教わります。しかし、このやり方が万人に共通して有効であるとは限りません。耳で聞いて覚えた方が記憶に定着する方もいれば、口に出したり手を動かしたりすることで効果的に記憶できる方もいます。
そのため、まずは自分が覚えやすい英単語の学習方法を把握しましょう。はじめのうちは、さまざまな方法を試してみるのがおすすめです。
自分に合った学習方法が理解できたあとは、その方法をひたすら反復して長期記憶への定着を目指します。
アウトプットを疎かにしない
英単語の効果的な学習には「アウトプット」が大切です。インプット学習とアウトプット学習を並行して実施することで、覚えた英単語の記憶をより強固に定着させられます。
英単語学習におけるアウトプットにはさまざまな方法がありますが、最もイメージしやすいのはテストや確認問題を解くことです。問題を解くことで、インプットした英単語が記憶にしっかり定着しているかどうかを確認できます。英単語を「インプットしたつもり」になっているケースも少なくないので、定期的に確認の機会を設けることが重要です。
テストで間違えたり思い出せなかったりした英単語はノートなどに書き留めておき、あとでインプットをやり直しましょう。
音声学習が充実した英単語アプリを活用する
大学受験における英単語の学習には、英単語アプリの活用もおすすめです。
英単語アプリをスマートフォンにダウンロードすることで、どこでも気軽に英単語を学習できます。分厚い参考書や単語帳を持ち歩く必要がないので、鞄の中身を圧迫したり、重量が増えたりするストレスもありません。片手で簡単に操作できるので、バスや電車で座席に座れなかった場合でも学習しやすいメリットがあります。
英単語アプリには音声学習が充実した種類もあります。「音と一緒に覚えた方が記憶に定着しやすい」という方には、特におすすめの学習方法です。
また、大学入試センター試験から共通テストに変わったタイミングで、英語のリスニング問題の配点が50点から100点に増えています。このことからも、音声学習によるリスニング力アップの必要性は高まったと言えるでしょう。
志望校のレベルに合った英単語帳を活用する
多くの受験生が英単語の学習に活用するのが「英単語帳」です。受験生にとっては必須のアイテムと言っても過言ではありません。
しかし英単語帳には豊富な種類が存在し、掲載する英単語のボリュームや難易度は大きく異なります。そのため英単語帳を選ぶ際には、志望校のレベルや学部に合ったものかどうかを見極めることが重要です。
例えば理系学部を受験する場合は、出題頻度の多い基礎的な英単語を網羅できる英単語帳が向いています。共通テストの場合、学校の授業にプラスして必要な英単語数は約400語〜1,700語と言われているので、ベーシックなボリュームの英単語帳を1冊マスターすれば十分でしょう。
一方文系の学部・特に難関大学を受験する場合は必要な英単語数も大幅に増えるので、より多くの英単語が収録された単語帳の活用がおすすめです。また、出題頻度の多い英単語だけでなく「今後出る可能性の高い」英単語を網羅した単語帳を活用すれば、難関大学の入試問題にも幅広く対応できます。
大学受験におすすめの英単語帳5選
大学受験におすすめの英単語帳として、以下の5つを紹介します。
- ・システム英単語
- ・英単語ターゲット1900
- ・速読英単語
- ・入試英単語2300
- ・キクタンBasic
どれも受験生から人気の高い英単語帳ですが、それぞれ特徴は大きく異なります。どのような方が向いているのかを含めて解説するので、ぜひ参考にしてください。
基礎から覚えたい方におすすめの「システム英単語」
駿台文庫から出版されている「システム英単語」は、標準レベルから難関大学まで幅広い難易度の入試問題に対応できる英単語帳です。
システム英単語は以下のように全5章から構成されており、章を進めるごとに難易度が上がっていきます。
- 1.高校基礎レベル
- 2.共通テストレベル
- 3.難関大レベル
- 4.最難関大レベル
- 5.多義語
志望校の難易度に合わせて、学習するべき範囲が明確に示されている点は大きなメリットです。例えば共通テスト対策として英単語を勉強したい方であれば、第2章まで学習を進めることで必要な英単語数をカバーできます。
「志望校は明確に決まっていないが、早めに英単語を勉強しておきたい」「基礎から段階的に英単語を覚えたい」と考える方にとって、システム英単語は特におすすめの英単語帳と言えるでしょう。
専用のアプリで学習できる「英単語ターゲット1900」
旺文社の「英単語ターゲット1900」は、1984年の初版刊行から約40年もの歴史を持つロングセラーの英単語帳です。大学受験における王道の英単語帳として根強い人気があり、中には教材として生徒に配布する学校も存在します。
英単語ターゲット1900の特徴は、出題頻度の多い順に単語が掲載されている点です。効率良く英単語を覚えたい方や、無駄を徹底的に省きたい方に向いている英単語帳と言えます。
また、専用アプリ「ターゲットの友」が利用できる点も大きな魅力です。スマートフォンで場所を選ばず学習が可能となり、通学時間やちょっとした空き時間などの隙間時間を有効に活用できます。アプリ内では確認テストも気軽に受けられるので、アウトプット学習にも最適です。
長文で覚えたい方には「速読英単語」
Z会から出版されている「速読英単語」は、長文形式で英単語を覚える英単語帳です。
速読英単語は、大きく長文パートと単語解説パートの2つに分かれています。長文パートでは見開き1ページの左側に長文が記載されており、右側で対応する日本語訳を確認できるという構成です。
英文で単語を覚えるメリットとして、英語の語彙力だけでなく英文の読解力も身につく点が挙げられます。速読英単語では難易度ごとに読みやすい英文が使用されているので、特に英文読解が苦手な方には良い練習となるでしょう。試験と違って制限時間もないので、自分のペースでゆっくり英単語と英文読解の力を高められます。
英単語を複合的に覚えたいなら「ランク順英単語2300」
「ランク順英単語2300」は、英単語を複合的な知識として覚えられる英単語帳です。
ひとつの英単語に対して複数の意味が解説されており、多義語の使われ方までしっかり理解しながら学習を進められます。長文読解に活かせる実践的な英単語力を身に着けたい方には、おすすめの英単語帳と言えるでしょう。テーマごとに関連語がまとめられており、似た意味を持つ英単語がまとめて覚えられる点もポイントです。
また、ランク順英単語2300は非常に見やすいレイアウトで作られています。英単語に関連したイラストも多用されており、英単語学習に苦手意識がある方でも取り組みやすい設計です。
英単語を聞いて覚える「キクタンBasic」
英単語の学習は途中で飽きてしまい、どうしても継続できない受験生は少なくありません。そのような方におすすめしたいのが「キクタンBasic」です。
キクタンBasicは英単語を聞いて覚えることに特化した英単語帳です。書籍に無料のアプリが付属する形で販売されていますが、メインはアプリの音声学習教材の方と言って差し支えないでしょう。書籍の方は、音声学習教材を補完するのに使用するイメージです。
キクタンBasicの音声学習教材では「チャンツ」が活用されています。チャンツとは、音楽に合わせてリズムよく発音される英単語の音声です。何度も繰り返しチャンツを聞くことで、英単語を音として脳内にインプットできます。
読んで覚えるだけ・書いて覚えるだけの単調な英単語学習にストレスを感じてしまう方は、ぜひキクタンBasicの「聞いて覚える」学習方法を試してみてください。
英単語に特化した予備校のカリキュラムを徹底比較
より効率良く英単語を覚えたい方には、予備校の活用もおすすめです。予備校の中には、英単語の学習に特化したカリキュラムを提供している学校があります。
英単語に特化した予備校のカリキュラムや教材を以下にまとめました。募集の時期が決まっており、現在は募集を閉め切っているカリキュラムもありますが、今後に向けた参考としてぜひチェックしてください。
予備校名 | カリキュラム・教材名 | 内容 | 対応エリア |
①55段階「英単熟語」 | ①レベル・出題頻度順に分類された単熟語帳を活用し、語彙力を効果的にアップさせる講座 | 全国 | |
英単語集中特訓 | 英単語1,800個を5日間で集中して覚える特訓講座 | 全国 | |
①基礎からの英単語 | 共通テスト・および大学入試で頻出の英単語を演習問題を通じて習得 | 全国 | |
英単語ゼミ | 週1回(40分)のゼミ講座を通じて英単語力をアップ | 神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県・大阪府 | |
5,000語の暗記 | 「コマンドテスト」「マンツーマン・口頭暗記テスト」を活用し、1年間で最低5,000語の英単語習得を目指す | 神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県 |
上記以外でも、予備校には大学受験に精通した講師陣やキャリアアドバイザーが在籍しています。「英単語をどのように勉強するべきか」「いつまでにどれくらい英単語を覚えるか」など、英単語学習の進め方を相談できる点はメリットと言えます。
もっと幅広く大学受験予備校を比較したい方は、以下の「イチオシ予備校一覧ページ」をチェックしましょう。授業の質やサポート体制などの観点から分かりやすく比較しまとめています。
まとめ
今回は、大学受験に必要な英単語の数を志望校のレベル別に解説し、効果的な覚え方やおすすめの英単語帳を紹介しました。
大学受験では約4,000語〜7,000語の英単語が必要です。学校の授業で学習する英単語は約3,600語~4,300語と言われており、足りない分は追加で学習する必要があります。
本記事で解説したおすすめの学習方法や英単語帳を活用し、自分に合った英単語学習を実践しましょう。
また、大学受験を成功させたい方には予備校の活用もおすすめです。以下のページでは大学受験におすすめの予備校をそれぞれ点数化し、レーダーチャート形式で分かりやすく紹介しています。予備校選びの際に、ぜひご活用ください。