上智大学理工学部の特徴は?自由な発想で注目される理工学部を紹介
上智大学というと文系のイメージが強いかもしれません。しかし、上智大学創立50周年事業の一環として1962年4月1日に創設された理工学部は2020年時点で60年近い歴史を有しています。上智大学の強みである文系の発想・思考を活かし、自然科学をとらえようとする取り組みは非常に自由です。ここでは、上智大学理工学部の特徴や教育体制などについて解説します。
理学と工学、理系と文系の枠を超えた自由な発想・思考が可能
上智大学理工学部は、理学と工学とを一体化して学ぶ「理工融合型教育ということが大きな特徴です。さらに、文系学科と同じキャンパスで基礎教育をともに学び、文系的な発想や思考を共有できる「文理融合型」教育の側面もあわせ持ちます。
枠にとらわれない、自由な発想・思考を可能にする環境を提供することで、「多様化する現代社会に適応できる人材、複雑な問題を解決できる人材を育成しよう」というのが狙いです。こうした目標のもと、上智大学理工学部では、科学的な知識を詰め込むだけでなく、創造性を育む教育や幅広い見識を得るための授業が重視されています。
理工学部の3つの学科
上智大学理工学部は、物質生命理工学科・機能創造理工学科・情報理工学科の3つの学科から成り立っています。各学科の特徴は以下の通りです。
・物質生命理工学科
従来の物理学や生物学、化学、環境学などの分野を総合的に学び、物質の基礎理解に重点をおいている
・機能創造理工学科
自然科学の基礎のもとに機械工学や電気・電子工学、物理学などを身につけられる
・情報理工学科
人間情報学や電子情報学、数理情報学などに基礎をおきつつ、人文・社会学と融合した幅広い教育内容で人間・社会への理解を深める
上智大学では、それぞれの科目を相互に自由に履修できる態勢が整えられてきました。それぞれの専門分野を深めつつも、多様な知見を得ることで、客観性や複合的な視点という「複合知」を得られるのが、上智大学の強みです。
英語教育の重視と少人数教育体制も
上智大学は、学生一人ひとりにしっかりと目を向けたきめ細やかな指導に定評があります。1年次では、クラス分けが行われ教員とのコミュニケーションが重視されるため、履修科目の選択や専門分野の相談などに関しての親身なサポートを受けることが可能です。こうした少人数教育体制は、実験や演習の充実ぶりや化学技術英語教育への取り組みにも表れています。
もともと上智大学は、英語教育に熱心な大学です。しかし、「国際競争力を有する科学者養成」という目的のもと、研究発表などに必須な科学技術英語力を磨くため、英語による論文の書き方、質疑応答の仕方などにも力を入れており、国際的競争力を持つ研究者が数多く羽ばたいています。
まとめ
上智大学理工学部は、文系学部と同じキャンパス内にあります。文理の枠を超えた教育体制を構築することで、「複合知を有する科学技術者を育成しよう」という取り組みは、多様化する現代社会に対応するための教育システムだといえるでしょう。自らの専門分野の基盤を確固たるものにしつつ、さらなる創造性を育み高める教育環境が整備されているのも上智大学理工学部の強みです。