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東大に受かるには「東大までの道のり」を知る必要がある

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すべての受験生にとっての最高峰である東京大学。
この大学に入るために、小学生のころから10年以上をかけて準備する子供や親も少なくありません。日本人の平均寿命は大体80歳なので、そのような人たちは人生の8分の1を東大入学に捧げているわけです。

そのため、「そこまでして東大に入る意味がある?」と思う人もいるかもしれません。
ただ、結論からすると「東大に入ることには大きな意味がある」といえます。

東大を出ると、最新の研究に携わることができたり、日本の方向を決める仕事に従事できたりするからです。だからこそ、東大に入ることは簡単ではないのです。

しかし、難しいからといって東大入学をあきらめる必要はありません。東大合格者は「選ばれた人」といわれますが、正しくは「入試問題を解けた人」に他ならないからです。

東大は、高卒見込み者と高卒者とそれと同等の人のすべてに、入試を受けるチャンスを提供しています。つまり、やることをやれば、必ず東大にたどり着けるということです。

東大に入りたいと考えている人は、闇雲に勉強を始める前に「東大までの道のり」をしっかりと確認しておきましょう。

東大の入試問題はこの程度

東大合格者の多くは、「東大入試は難解ではない。ただ、考える力が必要になる」といいます。「考える力」については後で詳しく解説するので、ここでは「難解ではない」という点について考えていきます。
このような話を聞くと、「東大に受かるような人だから、東大の入試問題を難しくないと感じるのだろう」と疑いたくなるかもしれません。
しかし、決してそういうわけではなく、東大の入試問題は本当に難しくないのです。

文章の一部の意味を尋ねるだけ

例えば、2016年度の東大文系の国語問題に、以下のような設問がありました。(※1)

「この人はあらゆることについて正解をすでに知っている」(傍線部イ)とはどういうことか、説明せよ。



答えは記述式なので、選択方式よりは確かに難しいのですが、設問は難しいことを尋ねているわけではありません。文章の一部の意味を聞いているだけです。
しかも、対象となっている文章は「この人はあらゆることについて正解をすでに知っている」だけで、難解な単語は一つもありません。

この問題は、「反知性主義」について書かれた文章を読み設問に答えさせています。「傍線部イ」の前後の文章を引用してみましょう。

反知性主義者たちはしばしば恐ろしいほどに物知りである。一つのトピックについて、手持ちの合切袋(がっさいぶくろ)から、自説を基礎づけるデータやエビデンスや統計数値をいくらでも取り出すことができる。けれども、それをいくら聴かされても、私たちの気持ちはあまり晴れることがないし、解放感を覚えることもない。というのは、(イ)この人はあらゆることについて正解をすでに知っているからである。正解をすでに知っている以上、彼らはことの理非の判断を私に委ねる気がない。



確かに「反知性主義」や「合切袋」「自説」「エビデンス」「理非」といった、普段聞かない単語が出てきますが、それらの意味がわからなくても、著者が反知性主義者を批判的にみていることはわかります。
そしてこの部分は、次のように要約することができます。

●私は、反知性主義者から説を聞いても解放感を覚えない。彼らは正解を知っていて(なおかつ、それに自信を持っているから)、私の判断に関心を示さないからだ。

ここまで理解できれば、後は本文を深く読み、これに言葉を足していくだけです。

(※1)参照:東京大学『入試試験問題 国語(文科)』

出題される「漢字」も簡単

また、同じ年の国語の問題には、次のような漢字を書かせる設問が出ました。

傍線a、b、cのカタカナに相当する漢字を楷書で書け。aチンプ、bタイダ、cヒンパン



いずれも難しい漢字ではないことがお分かりいただけるでしょう。

東大の問題といえども「高校生が解ける」ことを前提にしている

もちろん東大の入試問題のすべてが、これほど易しいわけではありません。なかには数%の受験生にしか解けない問題もあります。
しかし、東大の合格率は34%ほどといわれています。つまり、東大合格者のすべてが回答率数%の難問を解いているわけではないということです。
言い方を換えると、合格最低点さえ取れれば、出題された問題のうちどれ解いても問題ありません。

東大の入試問題といえども解けるようにできていますし、高校生や浪人生たちに解かせようとしています。
普通高校の授業を3年間しっかり受けている人ならば、特別な東大入試対策を受けていなくても、東大入試の過去問を解いて「0点」になることはないでしょう。
もちろんそれだけでは東大合格はできませんが、「解けないわけではない」ことがわかれば、自分に東大の受検資格があることをリアルに理解できるはずです。
そして、その解ける問題を増やしていけば、合格もみえてくるでしょう。

「12年かければなんとかなる」なら「1~3年でなんとかなる」

難しいことや大きなことを成し遂げるには、何が必要でしょうか。確かな方法でしょうか、努力でしょうか、明晰な頭脳でしょうか。
もちろんそれらは必要ですが、いずれも2番目、3番目のものであって、1番目に必要なものではありません。
東大合格という難しくて大きな事業を成し遂げるには、「できる」という確信を持つ必要があります。

勉強の効率化が合格の鍵を握る

東大合格を目指す人は、最初に「できる」ことを確認しておきましょう。
前期日程で東大文類に入学するには、センター試験8科目と2次試験4教科の試験を受ける必要があります。
東大理類はセンター試験7科目と2次試験4教科です。
つまり、東大を目指す受験生は、12~13科目の勉強を「すればよいだけ」です。

まずは「1年間1科目だけ勉強すれば東大レベルに達することができる」と確信することが重要です。1科目だけを集中して1年間学べるのであれば、全国模試でもトップレベルに到達できるでしょう。

もし高校3年生がそう確信できたら、次に勉強のスピードを上げることを考えればいいのです。
1年間1科目のペースでクリアしていくと、12~13科目クリアするのに12~13年かかります。したがって、高校3年生は勉強スピードを12~13倍にすれば1年で東大に合格できることになります。つまり、東大合格には勉強の効率化が欠かせないということです。

例えば世界史の勉強ならこうする

センター試験の世界史Bは、過去数年間に以下の分野が出題されています。

・先史時代とオリエント世界
・ギリシア・ヘレニズム世界
・ローマとキリスト教
・イランとアフリカの古代文明
・南アジアと東南アジア
・中国古代の成立
・中世ヨーロッパ
・ビザンツ世界
・イスラーム世界
・モンゴル
・ルネサンスと大航海時代
・宗教改革と絶対主義
・イギリスの立憲政治
・植民地獲得戦争
・17、18世紀の文化
・アメリカ合衆国の独立
・フランス革命とナポレオン
・産業革命
・ウィーン体制
・ロシア革命
・帝国主義
・19世紀の文化
・アジアのイスラーム王朝
・ヨーロッパのアジア進出とアフリカ進出
・明と清
・列強の中国侵略
・第一次世界大戦
・ヴェルサイユ体制
・ファシズムの台頭
・第二次世界大戦
・戦後の国際秩序
・戦後の欧米
・20世紀のアジア、アフリカ

全部で33項目あるので、これを1年間でクリアするには1カ月3項目を学習すればいいのです。それにより、世界史の学力は東大レベルになります。
しかし、実際の受験勉強では、1年間にわたって世界史だけを学ぶわけにはいかないので、スピードアップが求められます。
勉強を効率化してスピードを上げれば時間的な余裕ができ、他の教科の勉強に充てることができます。

勉強効率法その1「常に効率を考える」

東大合格者は、驚くほどさまざまな勉強効率法を考えています。
例えば、ある東大合格者は、英単語を覚えるときに紙に書かず、指で空中に書いて覚えました。紙に書くと時間がかかるからです。しかも、空中書きに慣れることができれば、電車のなかでもトイレのなかでも実行できます。

別の東大合格者は、自宅の自室に黒板を設置し、どうしても覚えられない英単語をそこに大きく書きました。ノートに英単語を書くと、ページをめくった途端にみえなくなってしまいますが、自室の黒板に書いておけば、歴史の勉強をしているときなどでもそれを「チラ見」することができます。
もちろん黒板には、日本史の内容や数学の公式を書いてもいいわけです。

効率化を考えることは東大受験では欠かせず、逆にいうと、効率化を考えずにただ参考書と問題集を追う勉強法は東大受験には向きません。

「効率化を追求しすぎると、実際の勉強時間が減るのではないか」と感じるかもしれませんが、そうではありません。効率化の追求こそ、最も効果が高い実際の勉強だからです。
効率化が必要なのは、自分が難解に感じる領域です。つまり、効率化を考える行為は、難解な問題を真剣に考える行為そのものなのです。

「なぜこの問題が解けないのだろうか」

「記憶法が悪いのだろうか、学習方法が悪いのだろうか、よい解説に巡りあっていないからだろうか」

「記憶法を変えよう、学習方法を変えよう、よい解説を探そう」

この工程こそが効率化の検討になります。これこそ実際の勉強といえるでしょう。

勉強効率法その2「最低限のことしかしない」

勉強を効率化させるもうひとつの方法は、無駄の回避です。東大にトップで入る必要はありません。ビリで入っても東大合格は東大合格です。
予備校の模試でなかなか東大合格圏に入ることができない人は、最低合格ラインをクリアすることだけを考えましょう。
例えば、ある科目の学習が合格最低ラインに達すると確信できたら、別の科目の勉強に取り掛かりましょう。そのためにも、科目ごとの東大合格最低ラインを把握しておかなくてはなりません。
つまり、勉強を効率化させるには、どの科目にどれだけの学力が必要なのか、分析しておく必要があるということです。

受験生は「東大を出たあと」を考えよう~モチベーションが重要

東大を目指す受験勉強は過酷になるでしょう。なぜなら、東大の入試問題は考える力を問うからです。記憶力勝負の入試なら覚えればよいだけですが、東大入試を克服するには考えに考え抜かなければなりません。

過酷さに立ち向かうため、東大受験生は「東大に入りたい気持ち」を強く持ちましょう。
モチベーションは何でも構いません。
官僚になりたい、日本のリーダーになりたい、国を動かしたい、莫大な予算で研究がしたい、ノーベル賞を取りたい、癌を治す薬を開発したい、大企業を引っ張りたい、お金持ちになりたい…。ただ、こうしたモチベーションは強くなければなりません。1日も早く「惜しみない努力をしてでもそれが得られるのでれば惜しくないもの」を見つけましょう。

ライバルは「普通の頭の努力家」だ

東大合格者のなかには、本当の天才がいます。そのような人は、1を学んだだけで30理解することができます。
しかし、そのような人は一握りしかいません。そのため、彼らはあなたにとってのライバルにはなりません。

「あなた」のライバルは、「普通の頭脳だけど努力を惜しまない人」です。決して、「自分は普通の頭脳しか持っていない」と悲観する必要はありません。
勉強の効率化を入試の前日まで続ける努力ができる人が、栄冠をつかむのです。

東大の教授たちは「こういう学生に入ってきてほしい」と考えている

大学の教授たちは「うちの大学にはこういう学生に来てほしい」と考えながら、入試問題をつくります。
そして、東大の教授は「考える人」を欲しがっています。なぜなら、そういう人でないと世界に通用する研究者や日本を引っ張るリーダーや世界で活躍できるビジネスパーソンになれないからです。

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授の上田正仁氏は、東大入試の特徴について「必要な知識量を減らしながらも、深く応用することで答えられる問い」と述べています。(※2)
そして、東大入試に必要な知識量は「基本的に教科書に書いてあることがすべて」と断言しています。

教科書に書かれてあることがすべてなら、なぜ、東大入試は最難関なのでしょうか。その答えも上田教授は教えてくれています。
東大入試の問題を解くには、高度な思考力と判断力が必要なのです。
高度な思考力と判断力というのは、目の前の事実を深く理解する洞察力であり、事実の背後にある法則を見抜く力のことです。

(※2)参照:東大新聞オンライン『【受験生応援2018】東大教授が語る2次試験の意味 「知識ではなく考える力を試す」』

まとめ~東大受験には「予備校」という伴走者がいる

東大の入試問題は「超絶難しい」わけではなく「普通に難しい」問題がたくさん出ているだけです。「普通に難しい」問題なら、一流と呼ばれる大学であればどこでも出題されます。つまり、東大に受かるには「普通に難しい」問題を多く解けるようになればよいということです。

そのためには、上田教授が指摘する「目の前の事実を深く理解する洞察力」「事実の背後にある法則を見抜く力」が欠かせません。
その力を身につける方法を教えてくれる人は、世の中にあまりいませんが、予備校には洞察力と法則を見抜く力を教えてくれる人がいます。予備校の講師は、東大受験の伴走者ともいえる存在なのです。

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