東大に年齢制限はある?東大に入るにはどんな対策が必要?
東大は国内でも高い教育水準を持ち、日本の最高学府と呼ばれる大学です。志を持って東大に入りたいと考えている人のなかには、東大の受験に年齢制限があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、東大の受験に年齢制限があるのかを解説します。東大の基本情報や東大に入るにはどんな対策が必要なのかについても紹介するため、東大受験に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
東大の概要
以下では、東大の基本情報について解説します。東大について具体的なイメージをつかみたい人はぜひ読んでみてください。
東大の基本情報
東大は、都内に3つのキャンパスがあります。法学部・農学部・薬学部など、理系と文系を合わせ全部で10の学部を持つ総合大学です。1877年に東京開成学校と東京医学校を合併して創設されました。日本で最も歴史のある国立大学として知られています。
令和6年5月1日時点での学部全体の生徒数は約14,000人、大学院の生徒数は約13,500人で、日本の国公立大学のなかでは最多となっています。
偏差値の高さは全国でもトップクラスで、日本の最高学府と呼ばれる所以です。政治家・学者・俳優など、さまざまな分野の著名人を多数輩出しています。
6種類の科類がある
東大の受験では「学部」という呼び方はしません。東大には6種類の科類が用意されています。各学部・学科には「指定科類枠」「全科類枠」という2種類の枠が設けられており、それぞれに定員数が定められています。
科類 | 学部 |
文科一類 | 法学部、教養学部 | 文科二類 | 経済学部、教養学部 |
文科三類 | 文学部、教育学部、教養学部 | 理科一類 | 工学部、理学部、薬学部、農学部、教養学部、医学部 |
理科二類 | 農学部、薬学部、理学部、工学部、教養学部、医学部 |
理科三類 | 医学部 |
1年生・2年生の前期課程では、学生全員が教養学部に所属します。3年生に進級すると後期課程となり、各学部に分かれ専門的な内容を勉強します。
また、東大では進学選択制度を採用しているため、受験時に選択した科類を問わずどの学部にも進める点が特長です。文系で入学して理系に進む「理転」、理系で入学して文系に進む「文転」という言葉があります。
大学入学後も進路変更が可能な大学は珍しいといえるでしょう。東大に入学してからも、教養課程での幅広い学びのなかでやりたいことを見つける時間が十分にあります。
東大の教育システム
東大はリベラルアーツ教育と呼ばれる、先鋭的な教育システムを採用しています。東大のリベラルアーツ教育には、固定観念や先入観を取り払い、誰かの主張を受け売りせず、独立した思考を持つという理念があります。現代におけるさまざまな課題を解決に導くための総合力が身につく教育のことです。
東大が牽引するリベラルアーツ教育は、注目されている教育のあり方です。答えのない課題が多数存在する現代社会には、豊富な知識をいかしながら、自ら問いを立て、答えを見つけられる人材が必要です。リベラルアーツ教育を受けた学生たちは、豊かな教養に裏打ちされたゆるぎない専門性を発揮し、自身の進路に多数の選択肢を持てるようになると考えられています。
東大が求める人材
東大は「国内外のあらゆる分野でリーダーシップを発揮する世界的視野を持ったエリートを育成すること」をミッションとして掲げています。同大学が求める人材は、日本の文化や歴史について深く理解しながら、国際的にも広い視野を持って行動できる人です。また、高度な専門知識を活用しながら問題を発見・解決し、この国やこの世界に対し大いなる責務を担う市民となれる人材を求めています。
試験の得点を意識しての受験勉強のみに力を入れるのではなく、自身の問題意識を掘り下げながら追求する姿勢が受験生にも必要です。
東大の受験に年齢制限はある?
以下では、東大の受験に年齢制限があるのかについて解説します。
また、年齢に関係なく東大を受験する場合の注意点についても紹介しますので、東大の受験を検討している人はぜひ目を通してみてください。
東大の受験に年齢制限はない
東大の受験に年齢制限はありません。以下3点のうちいずれか1点を満たしている場合、何歳であっても受験が可能です。
・高校を卒業している
・現在、高校3年生で卒業見込みである
・高等学校卒業程度認定試験に合格している
なかには、大学を卒業し、企業に就職した後に東大を目指す社会人受験生も多くいます。社会人となった後は仕事もあるので学習する機会が減ってしまうでしょう。しかし、なりたい自分への挑戦や理想的な人生への思いなどから、学び直す決意をする人がいます。また、世の中の多様なニーズや変化に対応できる知見を獲得するために、再度東大受験を目指すという生き方もあります。
東大医学部は再受験生の割合が高い
過去のデータを見ると、東大の医学部は再受験生の割合が高いことが明らかになっています。東大の「再受験生」とは、大学に進学して卒業もしくは中退して、もう一度東大受験にチャレンジする人のことを指します。
ここでは、文部科学省の「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」に関する資料をもとに解説します。平成30年度の東大医学部の受験者数を見てみると、受験者数の合計は384名です。このなかで、再受験生と考えられる22歳以上の受験者数は119名と、30%程度占めていることがわかります。
引用:文部科学省「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」
東大の受験に年齢が影響する要素
社会人が東大を受験する場合、働きながら勉強に取り組む必要があります。現役生や浪人生と比較すると、社会人は勉強時間を確保することが難しいでしょう。
社会人として仕事をこなす合間に受験勉強をすることになるため、現役生・浪人生よりも時間的には不利になることが考えられます。また、高校を卒業してから年月が経っている人の受験は、高校で習った時の記憶が薄れている可能性が高いので、厳しい状況となるでしょう。
そのため、目標を定めて日々勉強を積み上げていける人・学ぶことそのものに喜びを感じられる人が、東大の再受験に向いているといえます。
社会人として働きながら受験勉強のモチベーションを保つためには、自身の目標を明確にすることが大切です。なぜ東大を目指すのか、東大でどのような知見を身につけたいのかを考えたうえで再受験に臨みましょう。
東大に入るには?
東大は、国公立大学のなかでもトップクラスと称される大学です。以下では、東大に入るために必要な3つの対策について解説します。
勉強時間を十分に確保する
東大は国内で最難関の国公立大学といわれています。
東大の入試は科目数が多いうえに高得点を求められるため、入念な計画を立てて学習を進めましょう。合格を目指す場合、勉強時間を十分に確保する必要がありますが、単に長時間勉強すればよいというわけではありません。睡眠時間を削りながら勉強すると、集中力が続かなくなる可能性があります。東大の入試で出題される問題では高度な思考力が問われます。惰性で勉強するより、効率よく本質的な勉強に取り組むことを意識しましょう。
異なる科目の学習を交互に組み合わせたり、適度に息抜きを取り入れたりすることで、集中して取り組みやすくなります。モチベーションを保ちながら、学習効率を高める方法を身につけることが大切です。入試までのペース配分にも気を配りましょう。
入試の出題傾向を理解する
東大の受験に限った話ではありませんが、出題傾向を理解したうえで対策することが大切です。東大の入試では、知識量を求める問題だけでなく、思考力が問われる問題も多く出題されます。
たとえば、東大入試の英語は試験時間に対し出題量が多いのが特徴であるため、試験対策として、長文の読解スピードを鍛えることが大切です。また、数学においては、高校の教科書に載っている定義や公式を暗記するだけでは太刀打ちできません。解を導き出す思考力がしっかりと身につけているかどうかが合否を左右する要素となります。
いずれの科目の試験も設問数が多いため、偏りのない勉強と的確な処理能力が求められます。
独学の場合は自己管理が必要
独学で東大の受験対策をする場合、自身でスケジュールを立てたうえで勉強しなくてはなりません。現状の学習レベルをしっかりと把握すること、そのうえで苦手分野を1つひとつ克服することが大切です。高得点が求められる東大入試では、オールラウンドな学力が求められます。
しかし、独学の場合は目に見える範囲にライバルがいないため、モチベーションが下がる傾向があります。一人での取り組みではモチベーションを保つことが難しいと感じる場合、塾や予備校へ通う選択がおすすめです。
塾や予備校の授業は、あらかじめ定められた時間割に沿って進んでいきます。カリキュラムの進度に合わせて行動したり勉強を進めたりすることになるため、スケジュールを組みやすい点がメリットです。受験に関する最新の情報も入ってきます。規則正しい生活を送るモチベーションにもなるでしょう。
まとめ
東大は、広く門戸が開かれた大学です。受験資格を満たしている人であれば、年齢を問わずに受験できます。しかし、東大に入るためには、勉強の時間を十分に確保する覚悟が必要です。独学ではモチベーションを保つことが難しいでしょう。ライバルと切磋琢磨しながら受験勉強に取り組みたい場合、塾や予備校に通うことをおすすめします。
塾や予備校を検討している人は、「イチオシ予備校一覧」をチェックしてみてください。