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東大マテリアル工学科で何を学べる?卒業生の進路や受験情報も紹介

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東大工学部には、「マテリアル工学科」という学科があります。マテリアルとは、金属やガラス、繊維などの「材料」を指す言葉です。東大マテリアル工学科では、それらの構造や仕組みを知り、新たなマテリアルを開発するための知識を身に付けることができます。

そんな東大マテリアル工学科の歴史や3つの専攻コース、マテリアル工学科の学生が4年間に学ぶ内容はどのようになっているでしょうか。今回は、東大マテリアル工学科の全容や卒業後の進路、学生が最初に所属する東大理科一類の受験情報などについて解説します。

東大マテリアル工学科の概要

最初に、東大マテリアル工学科の歴史や3つの専攻コースについて説明します。

東大マテリアル工学科の歴史

東大マテリアル工学科は、「工学校」および「開成学校」の2校をルーツとする、東大の中でも歴史が長い学科です。ルーツとなる「工学校」は、1871年(明治4年)に工部省が創立した技術者養成機関、「開成学校」は1873年(明治6年)に文部省が創立したエリート養成機関としてスタートしました。

その後、1877年(明治10年)に「工学校」→「工部大学校」、「開成学校」→「東京帝国大学(東京帝大)」となりました。1886年(明治19年)には東京帝大が工学校を統合する形で工学部が設置。そのタイミングで、ドイツ系教員が東京帝大で教えていた治金学と採鉱学を専門的に学ぶ学科として「採鉱・治金学科」が誕生しました。

採鉱・治金学科は、改編や拡張を重ねて、1909年(明治42年)には「採鉱学科」と「治金学科」の2つに分離。そのうち、マテリアル工学科の礎となったのは治金学科です。治金学科は1967年(昭和42年)に金属工学科となり、1976年(昭和51年)には金属工学科と金属材料学科に分離しています。

その後、対象となる材料の広がりを受け、1990年(平成2年)に金属材料学科が材料学科に名称を変更。1999年(平成11年)には、金属工学科と材料工学科が統合して新たにマテリアル工学科が誕生しました。

東大マテリアル工学科には3つの専攻コースがある

東大マテリアル工学科には、3年生から3つの専攻コースがあります。 ・バイオマテリアルコース 人工臓器や、安全な投薬を目的とする人工ウイルスなど、人の命と健康を守るバイオマテリアルを学ぶコースです。電子顕微鏡科学(医療技術の革新的発展につながるバイオマテリアル創製の基礎となる)や、物性評価法(材料の物理的性質を評価する方法)のほか、バイオ界面工学、分子細胞生物学などの生命科学も学ぶことができます。

・環境・基盤マテリアルコース
環境保護の観点から、基盤マテリアルについて学ぶコースです。自動車や航空機、ビルディングなどの材料設計から原子レベルで制御されるマテリアルや高強度材料まで、幅広い分野で必要とされるマテリアルの知識を身に付けます。

対象となるマテリアルは、鉄鋼電子顕微鏡料(鉄鋼の組織観察用顕微鏡の材料)、金属、セラミックス、半導体、有機材料など多種多様です。

・ナノ・機能マテリアルコース
情報化社会に欠かせない高機能デバイス開発の鍵となる、高性能ナノマテリアルについて学べるコースです。今や原子・分子レベルで物質の構造を制御するナノテクノロジーを活用した、革新的な機能を持つマテリアルが開発されつつあります。そのベースとなる最先端の知識を身に付けることが可能です。

マテリアル工学科の学生は、教養学部前期課程の修了後にいずれかのコースに分かれ、それぞれの専門領域について学んでいきます。

東大マテリアル工学科の4年間で学ぶ内容

東大の学生は、2年生まで「教養学部前期課程」に所属し、3年生以降に各学部や学科に進学するのが一般的です。それを前提として、マテリアル工学科の学生が4年間で学ぶ内容について簡単に説明します。

1年生:マテリアル工学を学ぶうえで必要な工学の基礎知識を身に付ける

1年生では、主にリベラル・アーツ(一般教養)に加えてマテリアル工学を学ぶうえで必要な工学の基礎知識を身に付けます。また、各種マテリアルの入門的な授業や全学体験ゼミナール、初年度ゼミなど、マテリアル工学への興味を促すような履修科目も用意されています。

2年生:マテリアル専門領域への導入として工学の基礎固めを行う

2年生では、1年生で学んだことをベースに「基本科目」で工学の基礎をしっかりと固めます。また、マテリアル専門領域への導入となる「マテリアル共通科目」では、「マテリアル工学概論などの講義」「マテリアル工学自由研究などの演習」を受講します。

3年:3つのコースに分かれてマテリアルの専門領域を体系的に学ぶ

3年生以降は、先述した3つのコースに分かれ、講義と実験を通して各マテリアルの基礎を学びます。その応用として、マテリアル工学の各分野全体を体系的に学び、高度な専門な知識や経験を積み重ねていくことが可能です。また、各コースを総合的にとらえる「俯瞰科目」では英語で授業が行われます。

4年:大学4年間の集大成となる卒業研究を行う

4年生では、3年生までに講義や実験を通して身に付けた知識や経験を定着。同時に、大学4年間の集大成となる卒業研究を行い、それを論文としてまとめます。卒業研究論文の審査が通ると卒業が認められ、学部卒業となります。

東大マテリアル工学科の進路

ここからは、東大マテリアル工学科の学部卒業生の進路について紹介します。

卒業生の90%以上が大学院に進学

東大マテリアル工学科では、学部卒業生の90%以上が大学院に進学。さらに、マテリアルの専門領域を究める道を選びます。

就職先は「マテリアル・化学関連」が最多

2015~2019年における東大マテリアル工学科(学部・大学院)卒業生の就職先は、「マテリアル・化学関連」の業種が約33%で最多です。次いで、「電気・電子関連」(約17%)、「エネルギー・機械・重工関連」(約15%)、「大学・官庁・研究所関連」(約8%)の順に多くなっており、残りはその他のさまざまな業種に進んでいます。

東大マテリアル工学科の受験情報

東大の学生は、2年生まで「教養学部前期課程」に所属し、3年生以降に各学部や学科に進学するのが一般的です。それを前提として、マテリアル工学科の学生が4年間で学ぶ内容について簡単に説明します。

難易度

大学入学共通テスト

(1次段階選抜)得点率 

89%(801点/900点)

 

(※1)

2次学力試験偏差値

67.5%

マテリアル工学科を目指す受験の大半は、東大理科一類を受験することになります。河合塾が公表している2022年度における東大理科一類の受験難易度は、以下の通りです。

参考:河合塾(※1東大塾2021年度の数値)

東大理科一類の入学難易度は、非常に高いです。受験を考えている方は、まず共通テストで確実に高得点を取れるように受験準備を行いましょう。

受験科目

東大理科一類の受験科目は、以下のようになっています。

・大学入学共通テスト

国語

必須

地理歴史・公民

「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理、政治・経済」から2科目選択

数学

・「数学Ⅰ・数学A」は必須

・「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」から

1科目選択

理科

「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目選択

外国語

「英語」「フランス語」「ドイツ語」「中国語」「韓国語」

から1科目選択

 

・2次学力試験

国語

国語総合、国語表現

数学

数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学A(全範囲),数学B(数列、ベクトル)

理科

「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「地学基礎・地学」から2科目(要出願時届出)

外国語

「英語(コミュニケーション英語Ⅰ,コミュニケーション英語

Ⅱ,コミュニケーション英語Ⅲ)※リスニング含む」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目(要出願時届出)

東大理科一類の2次学力試験は、4教科あるため、大学入学共通テストとあわせて早めに受験準備を始めたほうがいいでしょう。以上の受験準備に加え、出願スケジュールや試験日のスケジュール、試験場へのアクセス方法なども早めに調べておきましょう。

それにより、落ち着いて受験ができ、実力通りの力が出せるでしょう。

「材料」に興味がある人はぜひ東大マテリアル工学科を目指そう

東大マテリアル工学科で学べば、高度なマテリアルの専門知識や技術を要する分野で活躍できる可能性は非常に高いでしょう。もちろん、入学のハードルは高めですが挑戦しがいはあります。「マテリアル」に興味がある方や、新たな材料を自分で開発してみたい受験生は、ぜひ東大マテリアル工学科を目指してみてはいかがでしょうか。

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