文系の国内最高峰「東大文一」を受験生が目指す意義とは?
なぜ、東京大学教養学部文科一類(以下、東大文一)は、文系の国内最高峰と呼ばれているのでしょうか。それは、文系で偏差値が最も高い大学だからです。つまり、合格前の道のりが最も長く険しいということです。
ではなぜ、一部の受験生たちは東大文一を目指すのでしょうか。つらい道を歩んででもつかまなければならないモノとは何でしょうか。
「日本のエリートを養成する国内最高の機関である東大法学部に入るため」と考えている受験生は多く存在します。
東大文一とは「教養学部文科一類」のこと
東大文一こと東京大学教養学部文科一類は、東大ならではの「クラス分け」といえます。東大は他の大学と異なり、「学部に入学する」のではなく「類に入学する」のです。
東大に合格した人はすべて教養学部に所属します。そして、教養学部には文科一、二、三類、理科一、二、三類があり、入試はこの類別に行われるのです。
1年生と2年生は類に属し、この2年間のことを東大では前期課程と呼んでいます。
東大生は3年生になって初めて学部に入ります。学部に属す2年間(3~4年生)のことを後期課程といいます。ただし、医学部医学科、農学部獣医学課程、薬学部薬学科の後期課程は4年間です。
文一は、法と政治を中心とした社会科学全般の基礎を学びます。そして人文科学だけでなく、自然科学の講義もあります。
文一の学生は入学から1年半が経過すると、3年生から所属することになる学部・学科・類を、次のなかから選びます。
・法学部 〔第1類、第2類、第3類〕
・教養学部〔超域文化科学科、地域文化研究学科、総合社会科学科、基礎科学科(科学史・科学哲学)、広域科学科、生命・認知科学科(認知行動科学)〕
それぞれの学部・学科・類には定員があり、志望者が多いと文一での成績順で選考されます。東大文一に入っても、前期課程の成績が悪いと法学部に入ることはできません。
この法学部の1学年の定員は約400人です。つまり、毎年「日本最高峰のエリート候補生」が400人誕生するということです。
「エリート養成機関」に入るため
「エリート」という言葉にはさまざまな意味が含まれますが、東大法学部を卒業した人は、間違いなく社会から日本最高峰のエリート候補生と目されます。
東大法学部は「学生が法律や政治を学ぶ場所」という性質以外に「日本のエリート養成所」と位置づけられているのです。
もちろん、エリート候補生が本物のエリートになるには本人のさらなる努力が必要になります。
例えば、公務員の最高峰は国家公務員一種(事務系区分)とされていて、その合格者は東大法学部卒2割、東大経済学部卒1割、残り7割がその他となっています。
「公務員のなかの公務員」といわれている財務省に入省する人の出身大学学部で最も多いのも東大法学部です。
そして何より、東大法学部は多くの首相を輩出しています。
法学部には第1~3類がある
東大法学部には第1、2、3類があります。
第1類は私法コース、第2類は公法コース、第3類は政治コースと呼ばれています。公務員志望の人は第1類、司法試験を目指す人は第2類、政治を学ぶ人は第3類に進む傾向がありますが、この第1~3類は学部の違いほど厳格に分かれているわけではありません。そのため、違う類に所属していても同じ講義に出ることは珍しくないのです。
まとめ
もし受験生が少しでも東大文一に興味を持ったら、東大文一用の勉強に取り組みましょう。東大文一を卒業すると、日本を牽引する仕事に就くことができます。それが大きなモチベーションとなる人も少なくないでしょう。
高校生や浪人生が人生の目標を持つことはとても大切なことです。東大文一は最良の目標のひとつともいえますので、ぜひ東大文一用の勉強に取り組んでみてください。