「産近甲龍」と「関関同立」とは?それぞれの特徴や違いを徹底解説
「産近甲龍」と「関関同立」という2つの単語が、何を意味するのかわからない受験生もいるのではないでしょうか。双方は、いずれも関西にある私立大学の頭文字をとった名称です。
この記事では、産近甲龍と関関同立がどこの大学を指すのか紹介します。各大学の魅力や、偏差値や就職率を比較しながら違いも解説するため、関西の大学への進学を考えている受験生は、志望校選びの参考としてぜひ読んでみてください。
産近甲龍の基本情報
以下では、産近甲龍の基本情報について解説します。
産近甲龍とは
産近甲龍とは、京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学の頭文字をとった名称として使われています。いずれの大学も関西を代表する準難関私立大学です。難易度は、関東における「日東駒専」の大学群と同程度といわれています。
産近甲龍の大学は、学生たちにキャリアプランを形成する機会を多く提供しています。また、偏差値が40台から50台の学部が多く、多くの受験生が選択肢に入れている点も特徴です。学部によって偏差値に大きな差がありますが、「関関同立の滑り止め」と認識する受験生もいます。
京都産業大学の特徴
京都産業大学は、京都市にある一拠点総合大学です。文系と理系をあわせて10の学部があり、すべての学部が1つのキャンパスに集結しています。文理の領域を越えた多様な価値観を持つ人々と関わり合いながら、「学部横断の学び」といわれる幅広い知識を習得できます。4年間を通して行われるキャリア形成支援も魅力の1つです。
また、国際教育に力を入れている点も京都産業大学の特長です。どの学部でも目的・条件に合わせて選べる留学プログラムが豊富に用意されており、在学生10人のうち1人が海外留学を体験しています。
近畿大学の特徴
近畿大学は、1949年に設立された総合大学です。西日本一帯に6つのキャンパスがあるほか、さまざまな研究施設や教育施設を持っています。近畿大学水産研究所は、2002年に世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功したことで、一躍有名となりました。
近畿大学には、15の学部と49の学科に加えて、短期大学部・通信教育部があります。総合大学として、多様な個性を持つ学生たちと交流できる点も魅力です。未来志向の「実学教育と人格の陶冶」を掲げ、基礎学力の向上のみならず専門的な知見が得られるプログラムが用意されています。
甲南大学の特徴
甲南大学は、兵庫県内に3つのキャンパスを持つ総合大学です。学生数が約9,000人と、産近甲龍の大学群では最も少ない人数となっています。
学生1人ひとりが持つ才能や能力を伸ばすために、少人数クラスでの授業を基本とし、隅々まで行き届いた「人物教育」を実践している点が特長です。ミディアムサイズの大学であることから、学部や学年を超えた交流が生まれやすく、個性豊かな学生たちが互いに刺激し合いながら、充実した大学生活を過ごせます。
龍谷大学の特徴
龍谷大学は、京都・滋賀に3つのキャンパスを持つ総合大学です。1639年に創設された西本願寺境内の学寮を起源とし、10学部・1短期大学部・10研究科を有しています。
「浄土真宗の精神」を建学の精神とし、1年次は全学部の必修科目として「仏教の思想」に触れ、見識を深めるところが大きな特長です。仏教の思想である「迷いから悟りに転換させる」生き方について学ぶことにより、自身を見つめ直し、視野を広げながら心の豊かさを育めます。学問を通して社会課題に立ち向かう取り組みに力を入れている点も特色です。
関関同立の基本情報
以下では、関関同立の基本情報について解説します。
関関同立とは
関関同立は、関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の頭文字をとった名称で、いずれも関西の私立大学です。難易度は関東でいうMARCHと同程度で、関西ではトップクラスの難関私立大学といわれています。
各大学が独自の教育プログラムを提供しており、社会で求められる知識やスキルを実践的に身につけられる点が魅力です。多様に学びの機会を得られることから、関西エリアの受験生のみならず全国的にも関関同立の人気は高まっています。
関西大学の特徴
関西大学は、大阪府に5つのキャンパスを有する私立の総合大学です。13の学部を持ち、なかには文系・理系の両視点から学べる学部もあります。
1886年に関西で初の法律学校として設立され、1992年に大学へと昇格しました。「学の実化」を理念に掲げ、高水準の教育活動や研究活動を幅広く展開しています。「主体的に考え、行動する」を方針として掲げ、学生の個性を尊重する校風です。地域活性化、DXの推進、SDGsなど先駆的な取り組みも積極的に行われています。
また、資格の取得・国家試験の合格をサポートする専門機関が設けられており、多彩な講座をリーズナブルに受講できる点が特徴です。合格に直結する講義が実施され、毎年高い合格率を誇っています。
関西学院大学の特徴
関西学院大学は、3つのキャンパスに11学部24学科がある総合大学です。キリスト教の考えに基づく教育を目指し、1889年にミッションスクールとして設立されました。キリスト教主義を建学の精神とする大学であるため、キリスト教を学ぶ機会が豊富に用意されています。
広い知識と深い専門性が身につき、課題を見つける力や課題を解決する力も育むことができます。「垣根なき学びと探究の共同体」という方針で、心の通う教育がなされています。
また、国際教育にも力を入れており、学内に多数の外国人教員が在籍しているほか、海外での実践プログラムを提供しています。3~6週間の短期留学から3~4ヶ月の中期留学まで、留学プログラムが充実している点も魅力です。
同志社大学の特徴
同志社大学は、14の学部と16の研究科で構成されている総合大学です。キャンパスは京都に7箇所あるほか、大阪・東京にサテライトキャンパスがあります。前身は、キリスト教徒である新島襄によって1875年に設立された「同志社英学校」です。
キリスト教・自由・国際主義という3つの主義を教育理念としており、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れています。学生一人ひとりの個性を尊重する「自由な校風」も魅力の1つです。全学部共通の教育科目を幅広く展開し、自身の興味に合う分野を学べます。
学内のキャリアセンターでは企業説明会のほか、同志社生を採用したい企業の採用選考会が開催されるなど、キャリア教育にも力を入れています。留学希望者や海外で働きたい学生への支援も充実しています。
立命館大学の特徴
立命館大学は、16の学部と21の研究科で構成される総合大学です。西園寺公望を設立者とし、1900年に中川小十郎によって「私立京都法政学校」として創立されました。
「自由と清新」を建学の精神としており、豊かな個性を伸ばしながら、正義・倫理を持った市民として活躍できる人材の育成に努めています。日本各地・世界中の人々が通学しており、キャンパスライフのあらゆる場面で交流する機会がある点も魅力です。
在学中に知性を磨きながら、境界を越えた学びのプログラムや学生同士のピアサポートの取り組みを通して、能動的に成長していく人間として社会に羽ばたく準備ができます。
産近甲龍と関関同立の違いは?
以下では、産近甲龍と関関同立の違いについて、偏差値や就職率を挙げながら解説します。
産近甲龍と関関同立の偏差値
2024年7月時点の産近甲龍・関関同立の偏差値は以下の通りです。
大学名 | 偏差値 |
京都産業大学 | 42.5~47.5 |
近畿大学 | 37.5~65.0 |
甲南大学 | 42.5~55.0 |
龍谷大学 | 37.5~55.0 |
関西大学 | 50~60 |
関西学院大学 | 50~67.5 |
同志社大学 | 52.5~62.5 |
立命館大学 | 50~67.5 |
学部ごとに差があるものの、全体的に産近甲龍よりも関関同立のほうが偏差値が高いことがわかります。
関関同立はどの大学も偏差値が高く、最低でも50はあります。なかには70近い偏差値の学部もあり、独学では合格を目指すことが厳しいといえるでしょう。
産近甲龍と関関同立の就職率
とあるメディアが実施した、大学ごとの有名企業への就職率に関する調査によると、関関同立の就職率が約20%、産近甲龍の就職率が約6%という結果になっています。この結果から、産近甲龍よりも関関同立のほうが有名企業への就職率が高いことがわかります。
有名企業への就職率が高い大学に入ることで、将来の選択肢の幅が広がるでしょう。大手企業に就職したいと考えている人は、関関同立を目指すことを おすすめします 。ただし、いずれの大学も難易度が高いため、進学を目指すには十分な学習時間を確保する必要があります。
まとめ
産近甲龍よりも関関同立の難度が高く、有名企業への就職率も高いです。関関同立と比べると産近甲龍の難易度は下がるものの、各大学が優れた教育プログラムを提供しており、年々人気が高まっています。
産近甲龍や関関同立への合格を目指す場合、十分な学力を身につけて受験する必要があるため、塾や予備校での効率的な対策がおすすめです。塾や予備校を検討している高校生や浪人生は「イチオシ予備校一覧」をチェックしてみてください。