【東大英語】試験傾向と対策・長文読解のコツ
東大を目指す上で多くの学部で必須となるのが、英語です。
現在ではどの大学のどの学部でも、英語は必須となりつつあります。
しかし、それぞれの大学で試験の傾向は違ってくるものです。
ここでは東大の英語に特化して、試験の傾向と対策、コツを紹介します。
東大英語試験の傾向
東大での英語試験は、文科も理科も共通で行われます。
その試験内容や試験時間、配点なども全て同じです。
東大の目指すのであれば文科でも理科でも英語は押さえておかなければなりません。
まずは、その試験傾向を見ていきましょう。
問題の構成と各々の傾向
東大の英語試験は、5つの問題で構成されています。
これらの問題は、要旨要約、段落整序、英作文に加え、リスニングや分法・語法、英文和訳、長文読解となっています。
非常に幅広く出題されるこれらの問題は、その質が高くなり量も増えてきているのです。
そこで、時間不足になってしまう可能性も多いに出てきます。
そうならないためには、それぞれの問題の傾向をしっかりと押さえておく必要があるのです。
要旨要約では、第1問Aとして出題されています。
8~12点の配点となることが多く、抽象的で高度な問題が多く出題される傾向が強いです。
300語ほどの英文が出題され、解答は毎年それぞれで字数の指定があります。
字数は40~120文字程度と幅があり、どれくらいの長さになるのかは、いざ試験を受ける時にならなければ分からない部分です。
段落整序においては、第1問Bで8~12点の配点で出題されます。
問題が長文となってきている傾向が強く、しっかりと対策をしていかなければならない問題です。
英作文は、第2問で20~30点の配点で出題されます。
対話内容の要約や空所補充、テーマ作文、絵や図の説明の4つに関して出題される傾向が強くなっています。
これら4つの中から基本的には2つの問題が出題されますが、時には5題も出題される年もありました。 リスニングについては、第3問で30分もの時間が割り当てられています。
問題は3つに分かれていて、問題数は非常に多くなっているのが特徴です。
解答方法は選択式で、配点は30点ほどとなっています。
文法・語法は第4問のAとして出題され、5~10点が割り当てられます。
誤文訂正や整序英作文の他、不要語削除の問題も出題されます。
そこまで癖のある問題ではないものの、長文なので気を抜いてはいられない部分です。
英文和訳は、第4問Bです。
配点は15点ほどで、ここは確実に点を取っておきたい部分といえるでしょう。
文章中の数ヶ所に下線が引いてあり、その部分を和訳していく問題となっています。
第5問となる長文読解は、小説やエッセイ風な文章が出てくることもあります。
多くの大学では論説調の問題が多いものの、東大英語では英文の読解力について純粋に問われているといえます。
出題形式としては、和訳問題が3題と選択問題が8題となっています。
配点が25~30点と大きなウェイトとなる長文読解ですが、基本的にそこまで文章の難易度が高い訳ではありません。
ただし、稀に難解すぎる問題が出題される年もあるようです。
いずれにしても、配点が大きいだけにしっかりと押さえておきたい問題といえます。
東大英語試験の対策
東大英語試験では、75~80点ほどが合格点といわれています。
これだけの点数を確実に取っていくためには、受験までの十分な対策が欠かせません。
ここでは、時間配分と対策について見ていきましょう。
余裕を持って解答できる時間配分とは?
全120分となる試験時間は、1分たりとも無駄にはできません。
あらかじめ、各設問を解く目安の時間配分を決めておきましょう。
学生によって多少の違いはありますが、一般的な配分は下記となっています。
・第1問A 要旨要約 10分
・第1問B、C 段落整序、段落読解 15分
・第2問A、B 英作文 20分
・第3問 リスニング 35分(5分で先読みをする)
・第4問A 不要語指摘 5分
・第4問B 英文和訳 10分
・第5問 長文読解 20分
・見直し 5分
これを基準として、自分なりの時間配分を作っていくと良いでしょう。
そして問題を解く順番も、ある程度決めておくとベストです。
これも学生によって違いますが、下記いずれかの順番を採用している人が多い傾向にあります。
・長文読解→英文和訳→リスニング→不要語指摘→要旨要約→英作文→段落整序、段落読解 ・長文読解→要旨要約→不要語指摘→リスニング→英文和訳→英作文→段落整序、段落読解
試験の前半部分に長文読解を持ってくると、問題の中でも一番の大物をクリアしておくことができるので、精神的に楽になります。
またリスニングが始まる時間が決まっている以上、長文読解は一番先に終わらせてその後の時間配分がある程度自由に動かせるようにしておいた方が安心なのです。
また長文読解は、全体的な文章の意味を掴むことがとても重要です。
これがリスニングによって中断されてしまうと、せっかく理解しかけた文章の意味が分からなくなってしまうこともあります。
そこで、ほとんどの学生が最初に解いてしまうようにしている訳なのです。
これを参考にして、自分なりのモデルスケジュールを作っておきましょう。
各設問の出題形式と対策
では、各設問の出題形式と対策についても見てみましょう。
まずは、要旨要約です。
40~120文字程度で解答する形式となっている要旨要約は、ポイントとなる骨子を見つけることが重要です。
骨子は、2~3個が文章内にあるはず。
抽象的で高度な問題となっている要旨要約は、この骨子を見つけることで少しでも多くの点を稼ぐことが大切となります。
そのためには、過去問を多く解くよりも読解力の質を上げる心掛けをすることが大切です。
段落整序においては、参考書などはほとんどない問題となっています。
過去問題などでどんどんと量をこなして、設問に慣れていくことが有効な対策となるでしょう。
英作文の設問は、全体が文章として成り立っていることがとても大切です。
設問によって指示されている部分が大きいので、それに沿って書いてあるかがポイントになります。
過去問などで、多くの問題をこなして英作文に慣れておきましょう。
リスニングは全てが選択式での解答となります。
とにかく時間がギリギリな上に配点が高いリスニングは、何よりも耳を慣らしておかなければなりません。
選択式なので問題自体はそこまで難しいものではありませんが、読み上げスピードがかなり速いためリスニング開始前に問題を一読することは必須といえるでしょう。
文法・語法問題では、全てマークシートでの解答となっています。
そのためそこまで難易度は高くないといえますが、基本的な文法と文法の運用能力は必須です。
そこまでひねった問題は出ないものの、過去問を多く解いて能力を上げておく必要があります。
そして英文和訳は、文章中に数ヶ所ある下線部分の和訳を解答する形式です。
この問題は部分的な和訳という問題ではあるものの、下線部だけを見ていてはミスをしやすいことがポイントでしょう。
そこで、全体的な流れや前後をしっかりと読んで理解することがとても大切です。
これをしっかりとこなしていれば、問題自体の難易度はそこまで高い訳ではありません。
最後に、長文読解問題です。解答は一部マークシート形式となっていて、和訳問題3題と選択問題8題で出題されます。
選択問題のうち、4題は空所補充となります。
長文読解は、文章こそ長いもののコツさえ掴めば得点を得やすい問題です。
過去問をどんどこなして、長文読解に慣れておくことがとても重要な対策といえるでしょう。
長文読解のコツ
英語試験で最初に解くべき設問で、配点も大きい長文読解。
ここを確実に押さえておけば、点数を伸ばしてかつ時間も節約することができます。
逆にいえば、長文読解は配点が大きい分絶対に外せない設問となっているのです。
そこで、長文読解のコツをここで解説しましょう。
先に問題を読む
長文読解では、文章ではなく問題を先に読んでおきましょう。
文章は大変長文なだけに、最後まで読み終えてから問題を見てその答えを見つけていくと二度手間です。
時間も多くかかってしまうので、無駄の多い解き方といえます。
そこで問題を先に読んでおけば、文章を読みながら答えを意識しておくことができます。
しかし途中で答えらしきものを発見しても、最後までしっかりと読むことも重要です。
長文読解だからこそ、一部だけで判断しての解答は非常にリスキーとなるのです。
先に問題を頭に入れておき、文章中で問題の答えを理解しつつ読み進めると効果的で確実な答えが見つかります。
文と文のつながりを考える
長文読解は、単なる文の集合体ではありません。
文と文がつながっていて、全体的に意味をなしているのです。
これを意識せずに読解しても、正確な解答を得ることはできません。
文章の前後を常に意識して、全体的な文章の流れを把握しておきましょう。
先の展開を予測しながら読む
文章を読み進める際には、ただ単に読んでいくのではなく先の展開を予測していきます。
最初からの流れを踏まえて、次の文章がどうなっていくのかを自分なりに筋立てしてみるのです。
もちろん、予測通りの展開にはならないことも多いでしょう。
しかし予測しながら読むことで、常に全体的な文章の流れを意識することができます。
長文読解の文章は、単純作業で読み進めても全体的な流れをつかむことはできません。
先の展開を予測するためには、それまでの流れを全て把握していなければならないのです。
そして、文章をしっかりと理解しておく必要もあります。
こうして深く文章を意識し、集中して全体の流れを覚えておくことで、やっと先の展開の予測が可能になるのです。
また予測しながら読んでいけば、文章の最後まで全体像を保持したまま読解することができることでしょう。
ここで重要なのは、頭の中でイメージしながら読解することです。
人は、文字の羅列よりもイメージの方が記憶しやすいとされています。
また都度イメージを作っていけば、文章をより深く理解できるのです。
重要そうな文にはマーカーを引く
長文を読み進める際には、重要そうな文章にマーカーを引いておくと見やすくなります。 文章には、必ずキーとなる部分とそうでない部分があります。 そのキーとなる部分を目立たせておけば、後から問題に着手する時もポイントが分かりやすくなるのです。
また文章が長いだけに、最後まで読み進めているうちにどうしても始めの部分の文章を忘れてしまいがちです。
そうなるとまた最初から読解をしなければならず、時間が余計にかかってしまいます。
これを避けるためには、重要と思われる部分などは文章の端に日本語でメモをしておくことも効果的です。
日本語で書いておけば、読み終えた後にパッと見るだけで意味を理解することができます。
そして、時間の節約にもつながってくるのです。
さらにButやHoweverなどの逆説にマーカーを引くと、文章の大切な部分が分かりやすくなります。
こうした手法も駆使して、時間を有効に使っていきましょう。
復習をする
長文読解で点数を取るためには、たくさんの過去問を解くことが大切です。
また過去問を解いた後は、復習することも重要なポイントとなってきます。
例えば辞書などを使って、文章を全て見直してみるのも良いでしょう。
こうして復習をすることで、読解力は確実に身についてくるのです。
逆に復習をしなければ、どんなに過去問を解いても読解力は上がりません。
復習をして読解し、さらにまた辞書などを見ずに自力で読解をしてみることも効果的です。
何度も同じ文章を読解すれば、その読解力は脳に記憶されやすくなるという効果も見込めます。
こうした地道な積み重ねが、長文読解の点数獲得につながってくるのです。
まとめ
東大では、文科でも理科でも共通の英語試験が実施されます。
つまりどの受験生も、東大を受けるならば英語の点数を取れるように対策をしておく必要があるのです。
東大の英語試験には5つの設問があり、それぞれ出題傾向がある程度分かっています。
これを押さえておけば、試験本番で焦ることもないでしょう。
英語試験の中でも配点が大きく、合否に大きく影響するといえるのが長文読解です。 長文読解は、いかに正確に文章全体を意識しながら読解ができるかが重要です。
読解力を上げるためには、文と文のつながりを意識することや先を予測しながら読んでいくこと等がコツとなります。 そこで過去問をどんどん解いて、コツを忘れずにできる限り数をこなしていきましょう。
この時、都度復習をすることを忘れてはいけません。 人は、反復練習によって技術を会得していきます。 有効な復習をして、どんどんと読解力を上げて長文読解の点数を確実に取れるようにしていきましょう。