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早慶文学部の難易度はどちらが高い? 履修内容や卒業後の進路も比較

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早稲田と慶應の文学部は、私大最高レベルの難易度で知られています。しかし、実際にはどちらの難易度が高いのでしょうか?また、受験問題の出題傾向についても気になる人が多いかもしれません。そこで、この記事では両大学文学部の受験情報に加え、入学後の履修内容、卒業後の進路についても比較してみました。

受験の難易度で早稲田と慶應の文学部を比較

早稲田と慶應の文学部の受験難易度について、偏差値および共通テストの得点率で比較しましょう。

早稲田

慶應

偏差値67.5

共通テスト得点率94%

※一般入試・英語4技能テスト利用入試ともに偏差値は同じ

偏差値65.0

※一般入試の偏差値

まず、大前提として慶應は共通テストや英語4技能テスト利用の入試を行いません。そのためそれら受験を利用したい人は早稲田一択です。ただ、合格ラインの得点率が94%なので、一般選抜を視野に入れたほうが合格しやすいでしょう。一般選抜で受験する場合は、その偏差値で両大学の難易度を比較します。

旺文社の大学受験パスナビの偏差値では、早稲田が慶應を2.5上回っており、早稲田のほうが若干難易度としては高い傾向です。しかし、受験科目や問題との相性が良ければ、受験前の偏差値が合格ラインに届かない人でも合格できる場合もあります。そこで、一般選抜の受験科目や出題傾向で両大学の違いを比較してみましょう。

受験科目で早慶の文学部を比較

早慶の文学部は、以下の科目で受験できます。

早稲田(2021年度)

慶應(2022年度)

・外国語(配点75点)

1.英語(コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ)

2.ドイツ語

3.フランス語

4.中国語

5.韓国語       

以上より1つ選択

 

・国語(配点75点)

国語総合・現代文B・古典B

 

・地歴(配点50点)

世界史B・日本史Bより1つ選択

出典:早稲田大学

・外国語(配点150点

1.英語(コミュニケーション英語基礎・コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・ コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ)

2.ドイツ語

3.フランス語

4.中国語

以上より1つ選択

 

・地理歴史(配点100点)

世界史B、日本史Bより1つ選択

 

・小論文(配点100点)

資料を与えて、理解と表現の能力を総合的に問う

出典:慶應義塾大学

以上の通り、早慶の受験科目には少し違いがあります。その違いをもとに、出題傾向の違いも見ていきましょう。

【外国語】「英語」は長文問題の出題傾向に大きな違いがある

外国語は早稲田が5言語、慶應が4言語から1言語選択します。ここでは、多くの受験生が選ぶ「英語」について出題傾向の違いを見ていきましょう。

・早稲田文学部の英語試験
非常にボリュームのある長文が多数あり、問題も多めです。随時頭を切り替えながらテーマの異なる複数の長文を速読でき、数多くの問題をサクサク解いていくことが得意な人は合格点を取りやすいでしょう。

・慶應文学部の英語試験
長文は1つですが、その1つが2,000語を超える超長文です。それを素早く熟読でき、限られた時間内で効率よく回答を導き出すことが得意な人に向いている試験といえそうです。

【国語】早稲田は「国語」、慶應は「小論文」の試験がある

早稲田の文学部は、受験科目に「国語」がありますが、慶應の文学部に「国語」の試験はありません。しかし「小論文」の試験はあり、そこで総合的な国語力が問われます。

・早稲田の「国語」
現代文から古文漢文まで幅広く出題されている傾向です。いずれにおいても私立最難関レベルの長文問題が出ますが、それをスピーディーに解けるハイレベルな国語力が必要不可欠となります。

・慶應の「小論文」
大学が最も重視しているのは、受験生の「本質を見極める理解力」です。加えて、「自分の考えを論理的に表現できる力」も重視します。その点で、早稲田の国語とは別の意味で難易度が高い試験といえるかもしれません。

【地歴】早慶の違いは「地理」の有無

早稲田文学部の「地歴」には、選択肢に「日本史」「世界史」「地理」がありますが、慶応文学部は「日本史」「世界史」のみです。そのため、歴史が苦手な人は地理で受験できる早稲田に絞ることを検討しましょう。受験科目の違いや出題傾向の違いからは、大学が求める学生像が透けて見えます。

それをもとに志望校を絞って受験勉強を行えば、合格の可能性がより高くなるでしょう。

学費で早稲田と慶應の文学部を比較

合格から卒業までに払う学費の違いも、非常に重要な比較ポイントとなります。ここでは、最新の情報をもとに、両大学文学部の学費を表にしてみました。

早稲田(2022年度)

入学金

20万円

年間学費

101万円(2~4年次約121万円)

※授業料と学生図書室図書費の合計

諸会費

3,000円(毎年度必要)

初年度納付額

121万3,000円

 

慶應(2021年度)

入学金

20万円

年間学費

114万円(2~4年次約114万3,350円)

※在籍基本料、授業料、施設設備費の合計

諸会費

3,350円

初年度納付額

134万3,350円

 

両大学文学部の学費を4年間で比較すると、慶應が早稲田より約8万円安くなる程度で大差はありません。しかし、下宿した場合の生活費や大学までの交通費で費用に大差がつく場合があるため、その点は受験前によく確認しましょう。

なお、早稲田・慶應ともに独自の給付型奨学金制度を設けています。そのうち、受験生が申し込める予約型奨学金は以下の2つです。

・早稲田:めざせ!都の西北奨学金
こちらの奨学金は4年間継続給付となり、給付対象となる文学部の学生には毎年45万円が給付されます。ただし、毎年進級時に家計の状況や学業成績による継続受給の判定が行われ、それによっては給付が打ち切られる場合もあります。

・慶應:学問のすゝめ奨学金
文学部の年間給付額は年額60万円ですが、初年度のみ入学金に相当する20万円が別途給付されます。2年目以降の継続受給の可否は毎年進級時の申請・審査により決定されます。

なお、大学が奨学金受給者のうち成績優秀者と判断した学生については奨学金が年額80万円まで増額されます。   以上の奨学金は、いずれも首都圏を除く国内高等学校等出身者のうち、成績優秀かつ家計の都合で大学進学が困難な人が対象です。該当する人は、ぜひ申し込みを検討しましょう。

履修内容で早稲田と慶應の文学部を比較

履修内容でも早慶の文学部を比較してみましょう。

早稲田

早稲田の文学部では、2年次より専攻コースに分かれる「1・3制カリキュラム」を導入しています。

・1年次
資料検索・論理的思考能力・表現能力の基礎演習・基礎講義、英語プラス1外国語(フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・スペイン語・イタリア語・朝鮮語・アラビア語から選択)を履修します。

・2年次
18の専攻コースに分かれて、より専門的な学問を履修します。

<専攻コース>
東洋哲学、心理学、社会学、教育学、語学・文学(日中英仏独露の5コース)、演劇映像、美術史、日本史、アジア史、西洋史、考古学、中東・イスラーム研究

慶應

慶應の文学部では、以下のような内容を学習します。

・1年次
一般教養科目や、「特論」「総合教育セミナー」など専攻への橋渡しを行う科目を学びます。

・2年次以降
以下の専攻や部門に分かれてより専門的な学問を修めます。

<専攻(17)>
哲学、倫理学、美学美術史学、日本史学、民族学考古学、文学(日中英米独仏の5専攻)、図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学など

<部門(2)>
自然科学、多言語(朝鮮語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、ラテン語ほか)

以上の通り、早慶どちらの文学部に入学しても2年から各専攻に分かれて履修しますが、進路の選択は1年次の後半になります。そのため、早慶どちらかの文学部を選ぶ場合は、自分が希望する専攻がより多くあるほうを選び、入学後の1年で1つに絞るといいでしょう。

卒業生の進路で早稲田と慶應の文学部を比較

最後に、卒業生の進路で早慶の文学部を比較しましょう。

早稲田

2019年度の文学部卒業生754名のうち、約75%(562人)が就職、約10%(80人)が大学院などに進学。また、情報通信業や金融保険業への就職が他業種より多くなっています。

慶應

2019年度の文学部卒業生794人中、約82%(650人)が就職、約9%(70人)が大学院等に進学しています。また、早稲田と同じく情報通信業や金融保険業への就職者が多い傾向です。

以上のことから、早慶の文学部は、特に情報通信業や金融保険業への就職に強いといえるでしょう。

早慶の文学部はどちらかに絞って受験したほうが合格しやすい

早稲田と慶應の文学部は、履修内容や学費、卒業後の進路においてあまり大きな差はありません。しかし、受験問題の出題傾向はかなり異なります。そのため、受験する際は高校で選択した科目や得意科目がより活かせるほうに絞って受験準備を行うことがおすすめです。

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