MARCHを乱れ打ち受験するメリットや把握すべき注意点とは
MARCHの乱れ打ち受験は、志望校の合格率を上げるための有効な手段です。なお、乱れ打ち受験には費用負担が増えたり、志望校対策の勉強時間が減ったりなどのデメリットもあります。デメリットを解消するためにも、MARCHの乱れ打ち受験を行う際は受験料やスケジュールを確認した上で実行するようにしましょう。
本記事では、MARCHを乱れ打ち受験するメリットや注意点を解説します。乱れ打ち受験が向いている人の特徴についても紹介するため、MARCHの乱れ打ち受験を検討している人はぜひ参考にしてください。
乱れ打ち受験とは
乱れ打ち受験とは、複数の大学や学部を手当たり次第に受験することです。「同じ大学で複数の学部を受験するパターン」と「別の大学で同じ学部を受験するパターン」があります。
多くの場合は、志望校の合格率アップが目的です。私立大学は受験日程が被りにくく、複数受験しやすいため、MARCHを乱れ打ち受験する人もいます。
MARCHを乱れ打ち受験するメリット
以下では、MARCHを乱れ打ち受験する4つのメリットを解説します。
志望校に合格する可能性が高まる
1つの学部に絞るよりは、乱れ打ち受験により複数の学部を受験するほうが合格の可能性が高まります。これは、同じ大学の入試問題でも相性の良し悪しがあるためです。実力は十分にあったとしても、本番で出題された内容が自身の苦手分野だった場合、合格が難しくなることもあります。
どうしても行きたい大学がある人は、乱れ打ち受験でチャンスを増やすと良いでしょう。たとえば、志望校の過去問で2回に1回は合格点を取れるレベルの人が、その大学を4回受験すれば合格率が約94%になります。
試験会場の雰囲気に慣れる
本番の入試では、独特の雰囲気から緊張や不安を感じてしまうケースもあるでしょう。乱れ打ち受験で場数を踏むことで、次第に会場の雰囲気に慣れてくると同時に、時間配分の感覚を掴めるようになります。
第一志望の入試日程を後半に設定すると効果的です。前半の受験で上手くいかなかったとしても、自身の弱点を分析した上で次の受験に臨めるようになります。
精神的な余裕が生まれる
受験校を1つに絞ると、当日の入試が一度きりのチャンスになってしまいます。試験当日は、全国からさまざまな人が会場に集まるため、予想外の出来事が起こる可能性もあるでしょう。また、後がないというプレッシャーから、普段通りの実力を発揮できないケースもあります。
乱れ打ち受験をすることで、精神的な余裕が生まれる点がメリットです。「もし失敗しても次があるから」と安心して受験に臨めるでしょう。
受験料の割引制度を利用できるケースがある
MARCHのなかには割引制度を導入している大学もあります。受験料の負担を減らしたい人は、割引制度を上手く利用しましょう。
たとえば、中央大学では「6学部共通選抜」を実施しています。6学部共通選抜は、2つ目以降の出願で割引を受けられる制度です。
割引制度を利用する場合、各大学のホームページにて要件や注意事項を確認してください。
MARCHを乱れ打ち受験する注意点と対策
以下では、MARCHを乱れ打ち受験するデメリットを挙げながら解決策を紹介します。
金銭的な負担が大きい
乱れ打ち受験により科目数が増えることで、受験料や交通費が高くなる点がデメリットです。試験会場が遠方の場合、宿泊費も発生します。保護者に費用を負担してもらう人は、「いくつの学部を受けるのか」「宿泊費や交通費はどのくらいかかるのか」などを事前に伝えましょう。
受験料や交通費などを自己負担する人はアルバイトで忙しくなり、受験勉強の時間が減ってしまうケースもあります。コストを抑えた上で乱れ打ち受験に臨みたい場合は、受験する大学に割引制度があるかを確認しましょう。
後半はパフォーマンスが低下しやすい
乱れ打ち受験をすると、リラックスできる時間が減ってしまう点に注意が必要です。連日の受験で疲労やストレスが溜まり、後半になるにつれてパフォーマンスが低下しやすくなります。
自身と相性が悪い試験問題が出題されたり、思うように実力を発揮できなかったりして上手くいかない日があると、翌日の試験に影響が出てしまう可能性もあるでしょう。パフォーマンスの低下により、模試ではA判定だったにもかかわらず、落ちてしまうケースも考えられます。
4~5日連続の受験となると、心身ともに大きな負担がかかります。ある程度は間隔を空けながら乱れ打ち受験することが望ましいです。乱れ打ち受験をする場合は、無理のない日程で組むことをおすすめします。
十分な対策ができない可能性がある
MARCHのなかには、2科目で受験できる学部があります。2科目受験の場合は1つのミスをほかの科目でカバーする余地がないため、教科ごとに入念な対策が必要です。しかし、乱れ打ち受験によって対策するべき科目の数が増えると、1つの教科の対策に十分な時間をかけられなくなります。
また、国公立大学の受験も考えている人は、乱れ打ち受験により、国公立大学の二次試験のための勉強時間が減ってしまう可能性があります。共通テストから二次試験までの期間は、5週間程度です。そのうちの約1週間分の勉強時間は、乱れ打ち受験により削られてしまいます。勉強時間が大幅に削られた上で、気持ちを切り替えて国公立大学の対策に取り組まなくてはなりません。
限られた時間のなかでしっかりと対策したい場合、塾や予備校に通うことをおすすめします。
MARCHの乱れ打ち受験はこんな人におすすめ
最後に、MARCHの乱れ打ち受験に向いている人の特徴を解説します。
学部よりも大学で選びたい人
「どの学部に入るのか」よりも「どの大学に入るのか」を重視している人は、第一志望校の乱れ打ち受験がおすすめです。「MARCHに入れるならどの学部でも構わない」という考えを持っている人であれば、MARCHの乱れ打ち受験が向いているといえるでしょう。
また、乱れ打ち受験は、志望校に合格できるだけのレベルに達していない人にも有効な手段です。「MARCHを志望しているが、模試の判定がDやEだった」という人も、乱れ打ち受験によりまぐれで合格ラインを突破できるケースがあります。
進学先の選択肢を広げたい人
乱れ打ち受験すると、合格した学部のなかから進学先を決められます。行きたい学部を1つに絞れない人、興味のある学部がなかなか見つからない人も乱れ打ち受験がおすすめです。
受験期間中は勉強に追われ、行きたい大学・学部の特色やカリキュラムについて調べる時間を十分に確保できない人もいるでしょう。乱れ打ち受験で複数の大学・学部に合格すれば、受験が終わってから自身の進路についてゆっくりと考えられる点がメリットです。
浪人を避けたい人
乱れ打ち受験は「浪人は避けたいが、なんとしてでもMARCHに入りたい」という人にもおすすめです。複数の大学や学部を受験することで合格率が上がり、浪人する可能性を下げられます。家庭の事情により浪人が難しい場合にも、乱れ打ち受験が向いているといえるでしょう。
浪人を避ける目的で乱れ打ち受験をする場合、実力相応校と安全校を中心に選び、確実な合格を目指しましょう。
まとめ
MARCHの乱れ打ち受験は、志望校の合格率が上がる・精神的な余裕が生まれるなどのメリットがあります。同時に、金銭面や体力面の負担が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。
MARCHのなかには、受験料の割引制度を導入している大学もあります。受験にかかる費用や試験のスケジュールを確認した上で、無理のない日程を組むことが大切です。
乱れ打ち受験をする場合は受験科目数が増えるため、学習時間を十分に確保する必要があります。塾や予備校を探している高校生や浪人生は「イチオシ予備校ページ」をチェックしてみてください。