東大で飛び級はあるの?日本の飛び入学や飛び級の制度と東大生
海外のニュースで小学生や中高生の子どもたちが大学に入学した話を目にしたことはありませんか。外国の大学では、高校生以下の子どもたちが一気に大学生になれる「飛び入学」が珍しくありません。それでは、日本では「飛び入学」や「飛び級」の制度はどうなっているのでしょうか。この記事では、東大の飛び級や飛び入学の現状に触れながら、日本の状況をまとめてご紹介します。
東大に飛び入学はない
高校生で大学に飛び入学したり、大学によっては飛び級制度があったりする学校も増えてきました。成績が優秀で、より高度な学習を望む子どもたちのチャンスが広がる飛び級とは、どのような仕組みなのでしょうか。
2021年、飛び級で話題になったのが、京都大学医学部に入学した林璃菜子さんです。林さんは、高校時代、国際化学オリンピックの日本代表をはじめ数々の大会で活躍。2021年春に高校2年生から大学生となりました。京都大学の医学部医学科で高校2年からの「飛び入学」制度がスタートしたのは2016年春入試からです。当時、医学部の飛び入学生は全国初めてだったこともあり、話題になりました。
一般的に「飛び級」という言葉が広まっていますが、飛び級は同じ学校内で学年を早く進級することを指します。一方で、飛び入学は、高校から大学のように上位の学校に年齢を超えて進学できる仕組みです。残念ながら、今のところ東大には京大のような「飛び入学」制度はありません。
ただ、飛び入学を定めた学校教育法では大学への飛び級の制度が整備されていて、国立大学では京大のほか、千葉大や東京藝術大学で導入されています。今後、東大も優れた資質を持っている高校2年生を対象にした飛び入学制度の採用が期待できるでしょう。
東大大学院には飛び級制度あり
東大の学部では、飛び入学や飛び級はありませんが、大学院には飛び級の制度があります。東大大学院数理科学研究科・理学部数学科の場合、大学3年生から大学院へ1年短縮して入学が可能です。また、飛び級ではありませんが、大学院総合文化研究科では優秀な業績のある学生は、特例で修業年限を短縮できる制度も設けられています。
博士課程の場合、修士課程に2年以上在学して修了すると博士課程は1年以上で修業可能です。また、修士課程に1年以上2年未満在学して修了、修士課程と博士課程を合わせて3年以上在学すると、修業条件をクリアできます。
まとめ
東大では、大学への飛び入学や入学後の飛び級制度が整備されていません。ただし、大学院では一部の研究科や専攻で飛び級制度や修業年限の短縮が特例で認められる場合があります。優れた資質や成績を挙げている学生にチャンスを広げる飛び入学や、飛び級制度がさらに広がる時代がやって来るといいですね。