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東大文科3類では何を学ぶのか?卒業後の進路や一般入試についても解説

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「東大で文学や歴史を学びたい」と感じている受験生が目指すのが文科3類です。しかし、東大文科3類に入学した後に学べることは実にたくさんあることをご存じでしょうか。また、共通テストになってから東大文科3類の受験難易度が変化しているどうかかも気になるでしょう。

そこで、この記事では、東大文科3類を志望する受験生やその保護者に向けて、東大文科3類で学べる内容や最新の受験情報についてお伝えします。

東大文科3類では何を学ぶのか?

最初に、「東大文科3類では何を学ぶことができるのか?」という点について解説します。

東大文科3類とは?

東大文科3類は、「前期教養課程6科類(文科1~3類および理科1~3類)」の一つです。東大に入学したすべての学生は、原則2年間いずれかの科類に所属します。文科3類に入学した人の所属は「前期教養課程文科3類 」です。

東大文科3類で主に学ぶことは「人文科学の基礎」

東大文科3類で1~2年次に学ぶ内容は、言語・思想・歴史など人文科学の基礎がメインです。また、人文科学に関連した社会科学や自然科学などの科目もあわせて学びます。それを通して人や文化、社会の営みについて幅広い見識を身に着け、3年次以降に専門分野を学ぶ礎としているのです。

3年生になると多くの学生が文学部に進学する

3年生になると、東大文科3類の学生は、主に以下の学部学科へ進学します。

文学部

・人文学科

<専修課程>

哲学、中国思想文化学、インド哲学仏教学、倫理学、宗教学宗教史学、美学芸術学、イスラム学、日本史学、東洋史学、西洋史学、考古学、美術史学、言語学、日本語日本文学、中国語中国文学、インド語インド文学、英語英米文学、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学、スラヴ語スラヴ文学、南欧語南欧文学、現代文芸論、西洋古典学、心理学、社会心理学、社会学

教育学部

・総合教育科学科

<専修課程>

基礎教育学専修(基礎教育学コース)、教育社会科学研修(比較教育社会学コース、教育実践・政策学コース)、心身発達科学専修(教育心理学コース、身体教育学コース)

教養学部

・教養学科

<専修課程>

超域文化科学分科、地域文化研究分科、総合社会科学分科、国際日本研究コース

・学際科学科

<専修課程>

科学技術論コース、地理・空間コース、総合情報学コース、広域システムコース、国際環境学コース

・統合自然科学科

<専修課程>

数理自然科学コース、物質基礎科学コース、統合生命科学コース、認知行動科学コース、スポーツ科学コース

1~2年で人文科学や社会科学などの基礎を学ぶ文科3類の学生は、その多くが3年生になると文学部に進学。また、教養学部や教育学部に進む学生もおり、以上で挙げたような学科・専修課程・コースなどでより専門的な学問を学んでいきます。

東大文科3類入学者の卒業後の進路

次は、東大文科3類に入学した人の卒業後の進路について説明します。それにあたっては、主な進学先となる文学部、教育学部、教養学部の進路を見ていきましょう。2021年5月時点で最新の情報として公表されている、令和元年度卒業者の 学部別進路は以下のようになっています。

文学部

卒業生の進路として最も多いのが「大学院への進学」です。次に多いのが「情報通信業」や「金融・保険業」への就職ですが、進路が不明な「その他」も多くなっています。また、理系学生が就職するイメージがある製造業に就職する人も意外と多い印象です。

教育学部

教育学部も大学院に進学する人が最多です。次いで多いのが「情報通信業」、「公務員」「金融・保険業」となっています。意外にも教育関係の仕事についた人はわずか4人でした。

教養学部

教養学部も「大学院への進学」が1位。2位は「情報通信業」、3位が「公務員」となっています。

以上を総括すると、3つの学部のすべてで大学院への進学者が最多です。この傾向は、医学部を除く東大の全学部に共通しており、東大の学生が学問を究める気持ちが強いことを示しています。

また、就職先には情報通信業を選ぶ学生が多いことも特徴です。以上の状況から、東大文科3類を志望する人は、学部卒業後に進学するか就職するかについても少し考えておいたほうがいいかもしれません。

東大文科3類の一般入試について

最後に、東大文科3類の一般入試情報についてお伝えします。

志願状況

まずは、2021年の志願状況をお伝えします。

<2021年度入試の志願状況>

募集人員

志願者数

合格者数

倍率

469人

1,452人

469人

約3.1%

ここ10年ほどの入試倍率は3%前後でほぼ同じです。2022年度入試でも入試倍率は、それほど変わらないことが予測されます。

受験科目

次は、受験生にとって最も重要な「受験科目」の情報です。

<第1段階選抜(共通テスト)>
・国語:必須
・社会:「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理・政治・経済」の4科目から2科目を選択
・数学:「数学Ⅰ・数学A」は必須。「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」の3科目から1科目を選択
・理科:「物理基礎(物理)」「化学基礎(化学)」「生物基礎(生物)」「地学基礎(地学)」の4科目から2科目を選択
・外国語:「英語」「フランス語」「ドイツ語」「中国語」「韓国語」の5科目から1科目

<2次学力試験>
国語:国語総合、国語表現、現代文B、古典B
数学:数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B
社会:日本史B、世界史B、地理Bの3科目から出願時に届け出した2科目
外国語:英語、フランス語、ドイツ語、中国語のうち出願時に届け出した1科目

第1段階選抜、2次試験ともに受験科目数が多いのですが、東大の2次試験は高校で習った範囲から出ます。高校で学んだ基礎を固め、それを応用できれば合格も夢ではないでしょう。

難易度

今度は、現時点での最新情報をもとに、「偏差値」「共通テストの合格者最低得点」「共通テスト+2次試験の合格者最低得点率」で難易度を記します。

偏差値

67.5

第1段階選抜(共通テスト900点満点)の合格最低点

600点(66.7)

共通テスト+2次試験(550点満点)の合格最低点

337(61.3%)

出典:東大塾(河合塾)

なお、2019年までの第1段階選抜(センター試験900点満点)の合格最低点(足切りのボーダーライン)は70~83%と高い水準でした。しかし、2021年度の合格最低点は66.7%でだいぶ下がっています。

おそらく、2021年度に共通テストの開始やコロナ禍などの影響からこのような結果が出たのも推測できるでしょう。そのため、今後、状況が落ち着けば再び合格最低点が上がる可能性もあります。

2次試験の受験会場や持ち物

2次学力試験当日の受験会場や持ち物についても簡単に説明します。
<試験会場>
東京大学駒場Ⅰキャンパス(東京都目黒区駒場)
<当日の持ち物>
受験票、筆記用具、時計、交通系ICカードなど

東京大学駒場キャンパスはⅠ~Ⅲまであるので、うっかりすると受験会場とは異なるキャンパスに行ってしまう恐れがあります。必ず事前にアクセス方法を確認し、時間に余裕を持っておでかけください。

受験前に「東大文科3類で学べること」を調べてみよう

これから東大文科3類を目指す人は、おそらくある程度は東大で学びたいことが決まっているのではないでしょうか。東大文科3類は、3年次から専門的に学べる選択肢が非常に多いのが大きな魅力です。

それを知れば「こんなことも学べるの?」と驚き、知的好奇心をくすぐられて受験勉強にも弾みがつくでしょう。まずは、東大の各学部のホームページをチェックし、入学後に何を学べるかを調べてみることをおすすめします。

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