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上智大学の学部を徹底解説!

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「憧れの上智大学にどうしても入りたい」そのように強く思っている受験生は少なくないでしょう。日本3大私大である早慶上智の一角を占め、かつその3大学のなかでは唯一のミッション系です。
上智は独特のブランドイメージを持っているため、それに憧れる人は「早慶ではなく上智」と強く思っていることでしょう。ところがその願いを成就するには、あの「上智の英語」を克服しなければなりません。過去問を見たことがある人ならば、知っているかと思いますが、まるで英字新聞です。
この上智の英語を克服するには、上智に入りたいという気持ちである「上智モチベーション」を高める必要があります。生半可な気持ちでは、上智合格を勝ち取ることはできないでしょう。

そこで今一度「上智に入って何を学びたいのか」を確認してみてはいかがでしょうか。「何学部でもいいからとにかく上智」といった考えでは、上智モチベーションは高まりません。
まずは、上智大学の全学部から確認していきましょう。

まずは全学部を概観しよう

ぞれぞれの学部をみる前に、まずは上智の全学部を俯瞰的にとらえてみましょう。上智には9学部あり、大学側がすべてに「キャッチコピー」をつけています。

・神学部:日本で唯一のカトリック神学部
・文学部:文化と人間を学ぶことで養う世界の本質に触れる力
・総合人間科学部:知の3本柱を核とした専門教育で人材を育成
・法学部: 3つの学科による法的問題ヘの特色あるアプローチ
・経済学部:豊かさの実現を科学的に追究する
・外国語学部:ことばを中心に据えた学問で知を切り拓く
・総合グローバル学部:深みを持ちつつも効果的・効率的に学ぶ
・国際教養学部:グローバル社会対応型リベラル・アーツ教育
・理工学部:理工融合と文理融合で多様化する社会に適応

どの学部のキャッチコピーも、魅力的な言葉で彩られています。例えば、文学部の「世界の本質に触れる力」という言葉ですが、単に文学を芸術作品として鑑賞するのではなく、そこに内在するものをとらえる必要がある、と教えています。
そして、経済学を「豊かさを実現する科学的な追求」ととらえている点も注目に値します。経済学部を卒業する多くの人はビジネスパーソンになり「お金の世界」や「利益を追求する競争社会」にどっぷりつかることになりますが、その激しい世界で生きる目的は「豊かさを追求するため」であることを教えています。
「ことばで知を切り拓く」という外国語学部の思想も雄大です。

また、上智といえば文系大学のイメージが強いかもしれませんが、理系の理工学部もあります。ただ、やはり大学側も「上智といえば文系」という意識があるのか、「文理融合」という単語をわざわざキャッチコピーのなかに入れています。

上智の「神学部」

神学部は、多くの受験生にとってあまりなじみがない学部ではないでしょうか。しかし、上智の公式ホームページの学部を紹介するページでは、神学部が一番上の左端に来ています。


上智の公式ホームページの9学部を案内するページ。最も重要なポジションである「上端、左端」に神学部が置かれています。
https://www.sophia.ac.jp/jpn/program/index.html

ホームページの編集では、「重要なものほど上へ、左へ」という原則があるので、上智が神学部を最重要学部であると位置づけていることが推測できます。

上智の神学部では、キリスト教や聖書を深く理解することを通じて、哲学、教養、倫理、文化を学びます。
神学部には神学科しかありませんが、3年生になると神学系、キリスト教倫理系、キリスト教文化系の3つの系から1つを選んで専門分野を掘り下げていきます。

2番目に置かれている文学部

上智のホームページの2番目に置かれているのは、文学部です。
早稲田や慶應が、法学や経済学や政治学といったいわゆる「実学」を看板学部にしているのと比べると、上智の「神学1番、文学2番」という位置づけはやはり独特です。

上智の文学部は哲学科、史学科、国文学科、英文学科、ドイツ文学科、フランス文学科、新聞学科、保健体育研究室の7科1室で構成されています。
上智の文学部の教授陣は「現代世界は外国語や専門技術だけでは通用しない」と考えています。では、現代世界を生き抜くには何が必要なのかというと、それは人文教養の力です。そして人文教養の力を身につけるには、芸術、思想、歴史、文化を学ばなければならないというわけです。

社会系の新聞学科を文学部に入れているところも上智らしさが出ています。新聞学科ではジャーナリズムやメディア、広告、インターネットを研究するのですが、それと同時にメディア・リテラシーとコミュニケーション能力の獲得も目指します。
メディア・リテラシーは最近注目されている概念で、「さまざまなメディアを理解する能力」や「メディアを使いこなす能力」と訳されます。

教育、心理、社会学、社会福祉、看護の総合人間科学部

総合人間科学部には、教育学科、心理学科、社会学科、社会福祉学科、看護学科があります。
他大学では教育学科は教育学部に、看護学科は医学部に置かれることもありますが、心理学や社会学と同じ学部に入れている点が、上智のユニークなところです。

上智がこれらの5学科を総合人間科学という分野にまとめているのは、これらの学問を身につけるには、ヒューマン・サイエンス(科学の知)、ポリシー・マネジメント(政策・運営の知)、ヒューマン・ケア(臨床の知)が必要であると考えているからです。
これは、とても理にかなった考え方といえるでしょう。
教師も企業人も福祉系人材も看護師も、科学の知識と組織を上手に動かすスキルと現場(臨床)重視の姿勢が必要だからです。

法学部

上智の法学部には法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科の3科があります。

・法律学科
憲法、民法、刑法、会社法などを学び、裁判官や検察官や弁護士などの法律の専門家や企業人を育成します。

・国際関係法学科
法学や政治学の視点を持って国際関係を分析します。

・地球関係法学科
環境問題と法律の関係を考え、諸課題を研究します。

経済学部

経済学部には、経済学科と経営学科があります。受験生のなかには、経済学と経営学を混同している人がいるかもしれません。しかし、この2科は「似て非なる学問」であり、向き不向きもはっきりしています。

・経済学科
上智は、学生が経済学科で学ぶ目的を「社会・経済現象を経済学的な視点から分析すること」としています。そのため経済学科の学生は、金融、財政、国際貿易、経済発展、都市問題、医療、年金、環境問題などについて学びながら、同時に数学や統計学も習得します。

・経営学科
経営学科で学ぶ目的は「高度な専門スキルと、企業・社会を見渡す幅広い視野を身につけること」です。したがって経営学科の学生は、企業の経営活動を徹底的に研究します。
日本の会社員は英語が苦手な人が多いことから、「英語の上智」の経営学科でも英語学習に力を入れています。2018年から、ビジネスパーソンに求められる英語力を身につけるために経営学英語特修プログラムをスタートさせました。ここでは英語で授業が行われます。

言語+アルファが学べる外国語学部

外国語学部には、英語学科、ドイツ語学科、フランス語学科、イスパニア語学科、ロシア語学科、ポルトガル語学科、研究コースの6科1コースがあります。
上智は、外国語を学ぶ目的は「外国語運用能力を武器にグローバル社会が求める新しい知を切り拓くこと」であると考えています。
したがって上智の外国語学部では言語を学ぶだけでなく、その言語が話されている地域についても体系的に研究していきます。
研究コースでは、歴史学や政治学、社会学に加えて、論文の書き方や研究上の技法といったテクニック的なことも修めます。

世界に通用する職業人を育成する総合グローバル学部

総合グルーバル学部には総合グルーバル学科があるだけです。
ここでは国際関係論、地域研究、国際政治論、市民社会・国際協力論、アジア研究、中東・アフリカ研究などを修めることになります。
上智の他の学部に比べると研究内容が漠然としている印象を受けるかもしれませんが、総合グローバル学部の教授たちは「学生一人ひとりが自身の興味や関心に基づき、学びの対象を幅広い選択肢から柔軟に選ばせるため」と述べています。あえて学問の間口を広げているわけです。

総合グルーバル学部が目指すのは、グローバル社会に貢献できる職業人と、世界を舞台に活躍できる人材の育成です。
この文言から、将来、商社やメーカーなどのグローバル企業に勤務したいと考えている受験生や、国連などの国際機関で働きたい希望を持っている受験生は、総合グルーバル学部に向いているといえるでしょう。

世界に通用する教養人を育成する国際教養学部

国際教養学部の名称から受けるイメージは総合グローバル学部と似ています。何が違うのでしょうか。
国際教養学部は、グローバル社会対応型の人材の育成を目指しています。では、グローバル社会対応型の人材とは、どのような働きをする人たちなのでしょうか。
上智はこれを「日本と世界を結ぶ国際的教養人」と定義づけています。これで総合グルーバル学部との違いがわかります。

つまり、国際教養学部も総合グルーバル学部も、グローバルに活躍できる人材を育成する点では同じですが、総合グルーバル学部は有能な職業人をつくろうとしているということです。
一方の国際教養学部は、教養に力を入れています。国際教養学部では、国際経営学、国際経済学、社会科学、比較文化、英作文、批判的思考、パブリックスピーキングなどを修めます。

唯一の理系は複合知の獲得を目指す理工学部

上智の唯一の理系が理工学部です。理系大学のなかには、理学部と工学部を分けているところもありますが、上智は両者を融合させています。
では、上智の理系は理学と工学の両方を中途半端に学ぶところなのかというと、もちろんそのようなことはありません。上智は理工を融合させ、さらに理系と文系を融合させることを考えているのです。

上智の理工学部のキーワードは「複合知」です。つまり、理学、工学、文系分野を複合的に学ぶことで得られる知識を重視しているのです。上智の理工学部の学生は、科学技術の基盤となる理工学分野を学んだうえで、急速に変貌を遂げている複雑に入り組んだ社会の仕組みに対応できる人材や、現代社会の諸課題を解決できる科学技術者になることを目指しています。

その理工学部には、物質生命理工学科、機能創造理工学科、情報理工学科の3科があります。

法学部と経済学部、どちらを選んだほうがよいのか迷っている受験生へ

法学と経済学は、大学の文系の2大メジャー学問です。そのため、大学卒業後に企業の会社員や公務員を目指す受験生は、「法学部か経済学部に行きたい」と考えているかもしれません。

上智を目指している受験生のなかにも「上智に入れるのであれば、法学部でも経済学部でも構わない」と考えている人がいるのではないでしょうか。入試科目も両学部は似通っています。
これなら、法学部・経済学部兼用の受験勉強をすることができます。

法学部

法律学科

・外国語:英語、ドイツ語、フランス語のうちから1科目選択

・国語:国語総合、現代文B、古典B(古文・漢文)

・地理歴史または数学:日本史B、世界史B、数学(数学I、数学II、数学A、数学B「数列」「ベクトル」)のうちから1科目選択

国際関係法学科

地球環境法学科

経済学部

経済学科

・外国語:英語、ドイツ語、フランス語のうちから1科目選択

・国語:国語総合(近代以降の文章を範囲とする)、現代文B

・数学:数学I、数学II、数学A、数学B「数列」「ベクトル」

経営学科

・外国語:英語、ドイツ語、フランス語のうちから1科目選択

・国語:国語総合(近代以降の文章を範囲とする)、現代文B

・地理歴史または数学:日本史B、世界史B、数学(数学I、数学II、数学A、数学B「数列」「ベクトル」)のうちから1科目選択



しかし法学部と経済学部をひとまとめにして志望するのはリスキーでしょう。なぜなら実際に勉強を始めてみると、「肌に合う・合わない」がかなりくっきり現れるからです。両者はかなり異なる学問です。

日本の社会は、法律と経済で動いています。社会を「自動車と目的地」で例えると、法律は「ハンドルとブレーキ」を担い、理想社会の実現を目指します。経済は「ハンドルとアクセル」を担って、現実社会を発展させようとします。
法律は、選挙で選ばれた政治家たちがより良い社会づくりを目指して制定します。法律のなかにも経済発展を後押しするものはありますが、法律の多くは社会を規制するルールです。
一方で、社会や国の幸福や富や豊かさは、経済力で決まることが少なくありません。世界的に、GDP(国内総生産)が大きいほうが「よい」という価値観があり、GDPを大きくするには経済を強くする必要があります。

法律にも経済にも「ハンドル」がついています。ハンドルは、進行方向を決める部品です。そして、法律のハンドルと経済のハンドルが異なる方向に舵が切られることがあります。
法学部を受験するか経済学部を受験するか迷ったら、一つの目安として、「法律というルールを使って社会を正しい方向に進めたい」と考える人は法学部を選び、「経済力を高めて社会を豊かにしたい」と考える人は経済学を選んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

上智の教授たち教員陣は、英知を身につけたい学生やグローバルで活躍したい学生に「翼」を授ける準備を整えています。
あとは上智を目指す受験生が学力を上げて難関入試をパスするだけです。学部の教育方針を知ることで、上智の魅力はますます増加するでしょう。ぜひ、モチベーションを高めて「高偏差値の壁」を乗り越えていってください。

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