もはや季節の風物詩?東大合格者発表の方法と歴史を解説
毎年3月上旬、東大の合格発表がニュースとして取り上げられます。日本で最難関の大学として知られるだけあって、その合否に注目が集まるのはある意味当然のこと。「どの高校から合格者が多く出たのか」「男女比はどうなのか」など、東大の合格発表の話題には事欠きません。
ここでは、東大の合格発表について、紐解いていきます。
東大の合格発表はどんなもの?
例年、東大では、本郷キャンパス弓道場前に設けられる掲示板に合格者の番号が張り出されてきました。東大の合否の知らせは自宅にレタックスで送られますが、「本郷キャンパスで合否を確認したい」という受験生は多く、悲喜こもごもの姿がいたるところで見られるのです。
東大の合格発表は、もはや季節の風物詩的な扱いで、ニュース映像として全国に届けられるため、毎年目にしている人も多いはず。近年は、危険防止の観点から禁止されているものの、東大ラグビー部、アメリカンフットボール部などによる合格者の胴上げも、合格発表時の一大イベントとなっていました。
胴上げができなくなった時代でも、応援部による演舞やエールの披露、在校生によるサークル活動への勧誘などが熱心に行われ、東大に合格した実感を深めることができます。
本郷キャンパスでの合格者番号の掲示は1972年度入試から
東大本郷キャンパスでの合格者掲示が始まったのは、1972年度の入試から。その当時は、受験番号に加えて、合格者の氏名も張り出されていました。どの高校から誰が合格したのかを週刊誌がこぞって速報で報道していたのもこのころです。
本郷キャンパスでの掲示が始まった当初は掲示場所も特段決まっていませんでしたが、1975年度入試から今の弓道場前が定番となりました。とはいえ、1980年代にはキャンパス内の工事の影響で、目黒区にある駒場キャンパスでの掲示に切り替わったことも。
2013年度の入試からは、インターネットを活用した合格発表も行われています。しかし、前述した通り、「本郷キャンパスで合格を実感したい」と足を運ぶ受験生が多いのが実際です。
例年通りの合格者発表とならなかった年も
本郷キャンパスでの合格発表が例年通りとはならなかった年もあります。2014年度入試から3年間、合格番号が構内に掲示されることはありませんでした。なぜなら、例年掲示場所となっていた弓道場前が総合図書館の工事の都合上、資材運搬通路となってしまったからです。
2013年にこの発表がなされた際、以降の実施は未定とされていましたが、2017年3月から掲示が再開。掲示場所は、これまでの弓道場前から正門と安田講堂の間のイチョウ並木へと変更になりました。掲示が中止されていた間、東大の合格発表は大学のウェブサイトや電子郵便で行われていたのです。