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ゲノム医科学の先端医療開発拠点・東大医科学研究所(医科研)とは?

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感染症や難治疾患を対象に、最先端の医療を研究する目的で東京大学に設置された研究所が「東京大学医科学研究所(以下、医科研)」です。基礎・応用医科学を推進すると同時に、研究所の敷地内にある付属病院で先端医療を実現しています。

ここでは、医科研の概要や歴史に加えて、大学院の教育機関として若手研究者育成に携わる側面について確認していきましょう。医科研の存在は、東大や東大大学院で学ぶメリットの一つです。この機会に、医科研についての理解を深めておきましょう。

初代所長・北里柴三郎から連綿と紡ぐ研究の歴史

医科研は、1892年(明治25年)に大日本私立衛生会附属伝染病研究所として設立されたのが始まりです。国内初の伝染病研究所であり、初代所長はペスト菌を発見し、「日本の細菌学の父」として知られる北里柴三郎。

設立から7年後、1899年(明治32年)に内務省所管の国立伝染病研究所となり、さらに1916年(大正5年)に東京帝国大学附置伝染病研究所となりました。1967年(昭和42年)に、「感染症・がんその他の特定疾患に関する学理及びその応用の研究」を目的に「医科学研究所」として改組。

研究部18部門、実験動物研究施設・奄美病害動物研究施設・病院の附属3施設で発足することとなりました。その後も、生物製剤試験製造施設や遺伝子解析施設、分子病態研究施設、ヒトゲノム解析センターなどが設けられ、2017年(平成29年)には創立125周年・改組50周年の節目を迎えています。

国内最大の演算性能をもつスーパーコンピュータでヒトゲノムを解析

医科研では、疾患原理の探究を通して革新的な予防法・治療法を開発することを目的に、多くの研究者や医療従事者が独創的な研究を行い、先端医療を推進しています。そうした研究を進め、さまざまな研究成果を社会実装するための施設として設置されたのが、「ヒトゲノム解析センター」です。

ここには、国内最大の演算機能をもつスーパーコンピュータが設置されており、生命科学に特化した機能を用いてヒトゲノムを解析してきました。ヒトゲノム解析センターは、2008年度にグローバルCOEプログラムに採択されるなど、ゲノム情報に基づく先端医療の教育研究拠点となっています。

大学院制度を中心に据えた教育機関として若手研究者を育成

医科研の特徴として忘れてはならないのが、東大の大学院教育を担当していること。独自の大学院組織を持たないまま、東大の各分野の教員が大学院教育を担当しているため、医科研で希望する教員の指導を受けるためには、各教員が所属する大学院・専攻を受験し、合格しなければならない仕組みです。

「どの教員がどのような研究を行っているか」については、ホームページや大学院進学説明会などで知ることができます。しかし、教員の研究所を訪れることなどもできるため、研究者を目指す大学院生にとって最適な環境が用意されているといってよいでしょう。

まとめ

医科研には、独自の教育コースが制度化されており、それぞれの分野の第一人者から直接学ぶことができます。教員・施設といった教育環境が非常に恵まれているだけでなく、最先端の医療技術を活かせる場も用意されているのが、医科研の大きなメリットです。

医学分野における第一線の研究者になりたいと考えている人は、医科研での研究活動も選択肢に入れてみましょう。

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