3,000時間の勉強で東大に!?合格を引き寄せる時間管理のコツ
世間の俗説の一つに「3,000時間勉強すると東大に合格できる」という話があります。高校生の受験勉強は、時間に追われることが多く、志望校合格という目標達成のためには、時間を意識した勉強法の確立が必要です。本記事では、東大生の1日の勉強時間を参考に、3,000時間を計画的かつ効率的に使うための時間管理術をご紹介します。
〇〇時間の法則とは
「〇〇時間の法則」とは、コンピューターサイエンスの研究に携わるPhilip Guo氏が提唱している考え方です。東大合格を目指す3,000時間とは、どの程度の時間なのかを知る参考としてみましょう。
1,000時間の法則
1,000時間の法則とは、ある分野でセミプロ、上級者といわれるまでにかかる学習時間です。単純計算すると、1日3時間勉強すれば約1年で達成できるため、極端に意識を高めなくても達成できます。数としてもキリがよいため、一つの目安にするとよいかもしれません。例えば、基礎固めや、受験科目を得意科目にするためにかける時間として使う余地があります。
なお、比較的難易度が高いとされる中小企業診断士や社会保険労務士などの資格取得を目指す場合にも、1,000時間程度の勉強時間が必要です。
10,000時間の法則
10,000時間の法則とは、ハイレベルな練習を絶え間なく10,000時間程度継続すれば、その分野のエキスパートになれるという考え方です。一流や天才と呼ばれる人でも、見えないところで努力をしていることは少なくありません。
もともとは、子どもに向けられたメッセージで、例えば「週5日、1回4時間のペースで楽しいことを10年続けられれば、その道の優れた人になり自分の自信につながる」という考え方です。
また、フロリダ州立大学の心理学者Anders Ericsson教授も、モーツァルトやビルゲイツ氏などを例にとり、「プロフェッショナルを目指すには、20歳までに10,000時間の下積みが必要」としています。例えば、司法試験を目指す受験勉強にかかる時間は、約3,000~8,000時間です。そのため、10,000時間というのが途方もない努力を積み重ねた結果となることがよくわかります。
「3,000時間の勉強で東大に受かる」の真意
東大に合格した人は、本当に3,000時間勉強したのでしょうか?ここでは、東大に合格した人の時間の使い方について詳しく見ていきましょう。
東大生の1日の勉強時間
東大に合格した人の1日の勉強時間について、「高校1~2年生まで」と「高校3年生・浪人生」に分けて紹介していきます。
高校1~2年生まで
東大に合格した学生で見ると、高校1~2年生のころの平均的な学習時間は、平日約2.5~3時間、休日は約3.5~4.2時間です。これは、年間に換算すると約1,000~1,200時間となり、年間約1,000時間している計算になります。高校1~2年生は、「平日に日々の課題を着実にこなし、問題集は週末にやる」など、学校の勉強を中心に基礎力を身に付ける時期です。
なかには、休日に7~9時間勉強する人もいますが、日々コツコツと勉強を続けることを重視して、基礎固めを行う必要があります。しかし、高校の授業は中学以上に難易度が高く、進度も速いため、通学や部活動、趣味などをこなしながら両立するのは難しいかもしれません。東大を目標にしている高校生が勉強を行う際は、事前に目標をよく調べて、計画を立てて効率を意識してから勉強を行っている傾向です。
例えば、東大生が行う勉強法として、スキマ時間の活用があります。どれだけ忙しくても、数分~数10分単位であれば時間が確保できるでしょう。順番待ちや、移動時間などをうまく活用すれば、英単語や数式を覚える時間に使えます。電車移動の場合、座れれば書きながらの勉強ができますが、立ったままなら、単語帳やプリント、教科書などをパラパラめくりつつ、暗記に活用できます。
徒歩や自転車の場合は、英語のリスニングなど音を中心にした学習ができます。
高校3年生・浪人生
東大に合格した学生で見ると、高校3年生のころの平均的な学習時間は、平日約4.6~6.3時間、休日は約7.1~8.6時間です。冬ごろになると自宅学習となる学校も多く見られるため、比例して学習時間が長くなります。現役生の場合、年間で約2,000~2,600時間勉強しているため、1~2年生時の学習時間とあわせると3,000時間以上勉強している計算です。
「3,000時間勉強すると東大に合格できる」とまでは言い切れないにしても、東大に合格した学生は、高校時代に約3,000時間以上勉強している可能性があることがわかります。なお、浪人生は、平日約7.9~8.3時間、休日は約8.1~8.7時間しているため、年間の勉強時間は約2,900~3,100時間です。
ただし、これらの勉強時間はあくまでも結果的なものです。東大に合格した学生の勉強は、時間よりも質を重視する傾向が多く見られます。勉強の計画は、「これを〇時間勉強する」考えではなく、習得すべき目標を具体的に決めて実質的に取り組んでいるのが特徴です。
これらを踏まえて、入試の当日までにやっておきたい内容を明確化したうえで、無理な勉強をして計画倒れにならないように余裕を持ちながら、おおまかに計画を立てるようにしましょう。また、割り振り直前に細かい予定を立てておくと効率よく学習できます。
質を重視して勉強を進める上で役立つのが塾や予備校です。
塾や予備校では、自身のレベルや志望校に合わせた適切な指導を受けられます。大学受験に精通した講師から教わることができるので、基礎固めから応用まで、効率的に受験対策を進められるでしょう。また、塾や予備校には担任制度があり、目標に合わせた学習の進捗を管理してもらうこともできます。
このように、塾や予備校では質の高い学習環境が整っています。一人で東大合格を目指すのが不安な場合は、塾や予備校に通うことも検討してみると良いでしょう。
東大生の受験時期の生活時間
平日 | 休日 | ||
0:00~7:30 | 睡眠 | 0:00~8:00 | 睡眠 |
8:30~15:40 | 学校 | 9:00~21:45 | 勉強(塾、図書館など) |
16:00~22:00 | 塾 | 23:00~24:00 | 勉強(自宅) |
23:00~24:00 | 勉強(自宅) |
東大に合格した学生が受験生だったころのタイムスケジュール例は、上記の通りです。睡眠をおろそかにせず、1日7時間程度しっかりと寝るように努めています。また、休日の日中の勉強は図書館や自習室など、誘惑が少ない環境を選んで集中している傾向です。
3,000時間勉強するための時間管理術
先にご紹介した1,000時間の法則を踏まえると、高校の3年間では1,000時間の法則が3巡できるため、大学合格を目指すには適した時間ともいえます。ここでは、高校時代に3,000時間勉強するために必要な時間の使い方について、具体的なタイムスケジュール例とともにご紹介します。
高校1~2年生まで
高校1~2年生の場合、約3割の学習時間が1時間以下といわれることがあります。しかし、現役合格している人の勉強時間で見ると、約4分の1が1日に2時間以上勉強しているともいわれています。高校1~2年生の場合、まず基礎固めをする時期となるため、1年生なら2時間、2年生なら3時間など、「学年+1時間」を目安に勉強に取り組んでみましょう。
塾に行く平日:3時間/日 | 塾に行かない平日:3.5時間/日 | 週末 | ||
18:00~19:00 | 勉強 | 16:30~19:00 | 勉強 | なし |
19:00~21:00 | 塾 |
週末に時間をとらなくても、放課後に集中して勉強すると、1日3~3.5時間が確保できます。
高校3年生・浪人生
高校3年生や浪人生の場合は、本格的に受験勉強に取り組む時期ですが、平日は遅くまで勉強せずに週末を利用します。午前中に問題を解く勉強を行い、午後は暗記系にすると効率的な勉強が期待できます。また、日曜日など、どこか1日を調整日として空けておくのもおすすめです。調整日があれば、勉強が遅れた場合でも取り戻すことができます。
また、「あえて何もしない」「勉強をしていて気になった問題を集中的に取り組む」など、自由に使うこともできるため、便利です。
塾に行く平日:4.5時間/日 | 塾に行かない平日:4時間/日 | 週末:11.5時間/日 | ||||
17:00~19:00 | 自習 | 16:30~21:30 | 自習 | 9:00~13:00 | 自習 | |
19:00~21:00 | 塾 | |||||
21:00~21:30 | 自習 | 14:00~21:30 |
東大で特に難易度の高いとされている学部
東京大学には難易度の高い学部がいくつかあります。以下にいくつかの代表的な学部を紹介します。
医学部
東大医学部は国内有数の難関とされており、高度な医学知識と技術が求められます。入試は科目ごとに複数の試験科目があり、学力や面接など多角的な評価が行われます。
理学部・工学部
理学部や工学部も入試難易度が高く、数学や物理学、化学などの高度な専門知識と解析能力が求められます。入試では科目別の試験が行われ、問題解決能力や論理的思考力が重視されます。
法学部・文学部
法学部や文学部も受験難易度が高く、広範な知識や論理的な思考能力が求められます。入試では国語や英語の試験、論文作成などが行われ、文章力や表現力が重要視されます。
経済学部・商学部
経済学部や商学部も入試難易度が高く、経済やビジネスに関する広範な知識や数理的な分析能力が求められます。入試では数学や英語、論文作成などが行われ、経済やビジネスの理解力や論理的思考能力が評価されます。
これらの学部は難易度が高いだけでなく、競争率も非常に高いです。しかし、十分な準備と努力を積むことで合格することは可能です。
また、これらの学部を志望するならばより多くの勉強時間が必要になる可能性がることを考慮しておきましょう。
東大合格に向けてモチベーションを維持するコツ
東大を受験する際のモチベーションを維持するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ・明確な目標を設定すること
- ・小さな目標に分けて達成感を味わうこと
- ・計画を立てて、着実に実行すること
- ・挫折しても諦めないこと
- ・仲間や家族のサポートを受ける
明確な目標を設定することで、モチベーションを維持することができます。目標が曖昧だと、いつの間にかモチベーションが低下してしまう可能性があります。そのため、東大に合格するという明確な目標を設定することが重要です。
小さな目標に分けて達成感を味わうことも、モチベーションを維持するために有効です。東大合格という大きな目標は、一朝一夕に達成できるものではありません。そのため、小さな目標に分けて、達成感を味わうことで、モチベーションを維持することができます。
計画を立てて、着実に実行することも、モチベーションを維持するために重要です。計画がないと、勉強の方向性が定まらず、モチベーションが低下してしまう可能性があります。そのため、計画を立てて、着実に実行することで、モチベーションを維持することができます。
挫折しても諦めないことも、モチベーションを維持するために重要です。勉強をしていると、挫折することもあるでしょう。しかし、挫折しても諦めなければ、必ず目標を達成することができます。そのため、挫折しても諦めずに、勉強を続けましょう。
仲間や家族のサポートを受けることも、モチベーションを維持するために有効です。勉強をしていると、孤独に感じることもあるでしょう。しかし、仲間や家族のサポートを受けることで、孤独感を解消し、モチベーションを維持することができます。そのため、仲間や家族のサポートを受けながら、勉強を続けましょう。
東大を受験する際は、モチベーションを維持することが重要です。上記のポイントを押さえることで、モチベーションを維持し、東大合格を目指しましょう。
まとめ
「3,000時間勉強すると東大に合格できる」という俗説は、一つひとつの学習を積み重ねた結果です。東大を目指す高校生も、勉強できる時間は限られています。スキマ時間や、学習の取り組み方、スケジュールなどを的確に計画しながら、効率的に勉強を進めましょう。