上智の国際教養学部は書類審査と公募推薦のみ!合格後の授業は英語で
100年以上の歴史を有する上智大学では、1949年にすでに国際部が創設されており、1987年に外国語学部から比較文化学部が独立、2006年に国際教養学部として改組されました。これは、当時の文部省の認可を受けたものとしては日本初の「全講義を英語で行う大学レベルの教育機関」です。
日本の国際教育の先駆者・上智大学の中でも、特に特殊な位置づけでした。2020年5月現在も、この歴史は脈々と受け継がれ、国際系の大学の中でも最難関の一つに数えられています。ここでは、上智大学国際教養学部の入試のありようと特徴、卒業生の進路などについて解説します。
国際教養学部への道は書類審査と公募推薦だけ
国際教養学部の入学試験は、1年次入学と3年次編入を対象に、4月(春学期)と9月(秋学期)の年2回行われています。入学試験に際して、「どこの高校出身なのか」「どの国籍なのか」が問われることは一切ありません。入学試験の方法は、書類選考のみ。また、日本の教育制度における高校卒業見込みの学生を対象とした、公募制推薦も行われています。
この結果、国際教養学部にはさまざまな国籍の留学生が入学しており、日本人学生と外国人学生の比率はおおまかに7:3といった状態です。ただし、日本国籍であっても「二重国籍を持っている」「海外で長期間過ごしてきた」という学生が多く、非常に国際的な教育環境にあるといってよいでしょう。
国際教養学部の授業はすべて英語で行われる
上智大学国際教養学部は、国際教養教育の先駆的取り組みが評価され、2003年に文部科学省より「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」に採択されています。その授業は、すべて英語で行われており、幅広い国際教養を学ぶ中に、専門性の高い学問領域を組み合わせて体系化されている点が特徴です。
コースは「比較文化コース(文学、哲学・宗教、美術史)」「社会科学コース(人類学・社会学、歴史、政治学)」「国際経営・経済学コース」の3つに分かれています。日本に関する多彩な科目が設けられていて、国際社会における日本の文化・歴史を深く学べるのも上智大学ならではのカリキュラムです。
教授陣の半数以上が外国籍で、すべて英語で授業が行われますが、入学時には英語のプレイスメントテストが行われます。弱点がある場合は補強クラスを受講できますし、レベルに応じた英語基礎科目が設けられているのが特徴です。夏季休業中に、約3週間にわたって大学独自の国際教養プログラムが実施されているので、英語に若干の苦手分野がある場合でもさほど問題ありません。
外資系企業への就職に有利
国際教養学部の学生は、「国際的な視座を有している」「高い英語力がある」という強みを持っています。外資系企業からも多くの求人があり、非常に有利な状況にあるといってよいでしょう。実際に、多くの外資系企業をはじめ、英語を公用語とする日本企業から多くの内定者が出ています。
2019年3月の就職実績としては、ゴールドマン・サックス証券や日本ロレアル、楽天、日本アイ・ビー・エムをはじめ、世界を股にかけて活躍する人材を求める三井物産や全日本空輸などがあります。
まとめ
上智大学国際教養学部の特色は、「一般の入学試験が行われず書類選考のみ」「授業がすべて英語で行われる」とった点です。世界の約40ヵ国から学生が集まり、教授陣の約半数が外国籍という非常に国際色豊かな環境が魅力の上智大学。幅広い国際教養を身につけられるため、世界における日本の立ち位置を深く理解できるのではないでしょうか。