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浪人生でも共通テストの「情報」対策は必須?適用される経過措置とは

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2025年度の共通テストより、新しい学習指導要領に対応して「情報」の科目が出題されます。新課程を履修していない浪人生の中には「自分たちが不利になるのでは?」と不安を感じる方も多いでしょう。

そこで今回は、浪人生でも共通テストの情報対策は必須なのか、適用される「経過措置」の内容やおすすめの受験方法などを解説します。2025年の共通テストを受験する浪人生の方は、ぜひ参考にしてください。

2025年度大学入学共通テストの変更点

2025年度大学入学共通テストの変更点

2022年4月に入学した高校1年生から、新しい学習指導要領がスタートしました。それに対応し、大学入学共通テストにも2025年度から大がかりな変更があります。

その中でも、浪人生が大きな影響を受けるのが「情報」教科の新設です。2025年度共通テストからは、情報教科が以下のように出題されます。

教科

出題科目

試験時間

配点

情報

情報Ⅰ

60分

100点

ほとんどの国立大学が共通テストの「情報Ⅰ」を入試に利用することが決まっており、情報Ⅰを全く課さない国立大学は現時点で0に近いです。また、公立大学でも同様に多くの学校が情報Ⅰの受験を求めています。

つまり、2025年度の大学入試からは多くの受験生にとって情報教科の試験対策が必須になるということです。

共通テストで追加される「情報」は浪人生でも受験が必要?

共通テストで追加される「情報」は浪人生でも受験が必要?

現役生と異なり、浪人生は2025年度の共通テストから反映される新学習指導要領を履修していません。そのため、浪人生でも現役生と同様に情報教科の受験は必須となるのか、気になる方は多いでしょう。

結論からお伝えすると、浪人生だからという理由で情報教科の受験は免除されません。その理由として、浪人生も旧課程で情報教科を履修していることが挙げられます。

2022年4月に実施された学習指導要領の変更では、情報教科が新設された訳ではなく、以下のように科目が変更となりました。

改定前の科目

改定後の科目

・社会と情報
・情報の科学

・情報Ⅰ
・情報Ⅱ

上記のとおり、旧課程においても「社会と情報」および「情報の科学」の2科目が指導要領に含まれており、浪人生も情報教科を履修していることになります。高校時代を振り返ると、情報の授業を受けた記憶がよみがえる浪人生の方も多いのではないでしょうか。

一方で、2025年度共通テストから新設されるのは新課程の「情報Ⅰ」の範囲です。旧課程の情報科目とは若干内容が異なり、履修をしていない浪人生が不利になる事実には変わりありません。

そこで浪人生に対する救済措置として、2025年度大学入試では「経過措置制度」の適用が決定しました。詳細については、以下で詳しく説明します。

2025年度のみ浪人生に適用される「経過措置」とは

2025年度のみ浪人生に適用される「経過措置」とは

2025年度の共通テストに適用される「経過措置」とは、新課程を履修していない受験生を対象に、履修済みである旧課程の試験問題を選択できるようにした制度です。

浪人生は旧課程の「社会と情報」および「情報の科学」の科目を、新課程の「情報Ⅰ」の代わりに受験できます。この場合、自身が高校時代に履修した科目の範囲から問題が出題されることになるので、新課程を履修した現役生に対してハンデを背負う心配はありません。

また、浪人生はあえて新課程の「情報Ⅰ」の問題を選択することも可能です。新課程か旧過程か、問題を選択する際には自身が得点を稼げそうな科目を慎重に見極めましょう。

2025年度共通テストで浪人生が選択できる2つの情報教科

2025年度共通テストで浪人生が選択できる2つの情報教科

経過措置制度により、浪人生は2025年度共通テストにおいて新課程と旧課程のいずれかの科目を選択できるようになりました。

実際にどちらを選ぶべきか判断するための材料として、ここではそれぞれの科目の特徴や出題範囲について解説します。

新課程の「情報Ⅰ」

高等学校における情報Ⅰの学習指導要領は、大きく以下の4つの要素から構成されています。

  • ・情報社会の問題解決
  • ・コミュニケーションと情報デザイン
  • ・コンピュータとプログラミング
  • ・情報通信ネットワークとデータの活用

新課程の情報Ⅰでは、プログラミングやネットワーク・データ活用における基礎的な学習内容などの項目が追加されました。現代におけるインターネットの急速な普及・発展に伴い、情報を効果的かつ適切に扱うための一定の知識やスキルを学ぶことが目的とされています。

また、大学入試センターが公表した令和2025年度大学入学共通テストの試作問題では、以下のとおり配点が示されました。

出題項目

配点

情報社会の問題解決

7点

コミュニケーションと情報デザイン

16点

コンピュータとプログラミング

46点

情報通信ネットワークとデータの活用

31点

参考:大学入試センター 令和7年度大学入学共通テスト 試作問題「情報」の概要

プログラミングに関する配点が大きいですが、実技問題が出題される訳ではありません。知識を積み重ねることで、十分高得点が狙えるでしょう。

旧課程の「社会と情報」と「情報の科学」

旧課程の科目を選択した場合は、「社会と情報」および「情報の科学」からの出題となります。

大学入試センターが公表した資料によると、旧課程の出題範囲は以下のように記されていました。

「旧情報(仮)」の出題範囲は、平成21年告示学習指導要領の「社会と情報」及び「情報の科学」の内容とする。なお、高等学校等において「社会と情報」、「情報の科学」のいずれの科目を履修していても不利益が生じないよう、両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、「社会と情報」に対応した問題及び「情報の科学」に対応した問題を出題し、選択解答させる。

引用元:大学入試センター 令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等の予告

上記の情報を要約すると、主に以下のとおりです。

  • ・「社会と情報」と「情報の科学」の共通部分が必答問題として出題される
  • ・「社会と情報」または「情報の科学」のいずれかに対応した選択問題も出題される

旧課程では「社会と情報」あるいは「情報の科学」のいずれか一方を履修します。そのため上記の出題方針は、どちらの科目を履修していても公平性が保たれるよう出題形式が配慮されています。

浪人生でも対策がしやすい「情報I」の受験がおすすめ

浪人生でも対策がしやすい「情報I」の受験がおすすめ

浪人生は新課程と旧課程、どちらを選ぶべきなのでしょうか。本サイトでおすすめしたいのは、新課程の「情報Ⅰ」を選択する方法です。

理由としては、情報Ⅰの方が試験対策がしやすい点が挙げられます。市販されている参考書や問題集は圧倒的に情報Ⅰの分野を扱うものが多く、一方で旧課程の方は教材の選択肢があまりありません。

浪人生でも、高校生のときに履修した旧課程の知識を覚えている方は少ないでしょう。したがって、いずれの科目を選択しても一から対策をスタートすることになります。それならば、対策のしやすい情報Ⅰを選択した方がメリットが大きいです。

ただし、旧課程の内容を覚えている方や、新課程に含まれるプログラミングなどが苦手な方は、旧課程を選択した方が良いケースもあります。自身の状況と照らし合わせて、得意な科目を選択することが重要です。

情報Ⅰのおすすめ勉強法4選

情報Ⅰのおすすめ勉強法4選

ここでは情報Ⅰのおすすめ勉強法として、以下の4つを紹介します。

  • ・市販の参考書でインプットから始める
  • ・プログラミングを重点的に学習する
  • ・数学の学習も並行して進める
  • ・予備校の対策講座やカリキュラムを受講する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

市販の参考書でインプットから始める

情報Ⅰの試験問題には、マークシート形式が採用されています。計算問題やプログラミング演習問題も含まれますが、大半は暗記することで得点が稼げます。

そのため、まずは市販の参考書でインプットから始める方法が効果的です。問題集を活用したアウトプットは、ある程度知識が定着したタイミングで取り組むと良いでしょう。

情報Ⅰの参考書の中には、初心者向けのものが数多く出版されています。高校時代に情報Ⅰを履修していなくても、入門レベルの参考書を選べば安心です。

プログラミングを重点的に学習する

情報Ⅰで高得点を狙いたいなら、プログラミングを重点的に学習しましょう。

プログラミングの分野は、得意不得意が分かれます。そのうえ配点が大きいので、情報Ⅰの試験においてプログラミングへの苦手意識は命取りです。

専門的かつ難解な分野に思えますが、しっかり対策をすればそれほど難易度の高い問題ではありません。市販の参考書の中にはプログラミングに特化したものも出版されているので、これらを積極的に活用しましょう。

数学の学習も並行して進める

情報Ⅰは、数学と非常に強い関連性があります。数学の学習も並行して進めることで、情報Ⅰの内容をより深く理解できるでしょう。

例えば情報Ⅰの定期テストでは、数学Aの学習範囲である「二進法」の問題が出題された事例もあります。また、情報Ⅰの学習内容である「データの活用」は、数学Ⅰで学ぶ「データの分析」と親和性が高い分野です。

このように、情報Ⅰの試験対策には中学・高校で習った数学Ⅰ・数学Aの考え方が役に立ちます。逆に言うと、数学的な能力が不足する場合は理解が難しい部分もあるので、点数が伸び悩む場合は数学教科の内容を復習するのもおすすめです。

予備校の対策講座やカリキュラムを受講する

情報Ⅰの対策を徹底的に行いたいなら、予備校の対策講座やカリキュラムを受講するのも一手です。

共通テストで状況教科が新設された背景から、情報試験対策に重点的に取り組める大学受験予備校が増えてきました。大学受験の専門家である講師から直接指導が受けられるので、独学が苦手な方や短期間で実力を大きく伸ばしたい方にはおすすめの方法と言えるでしょう。

情報Ⅰの受験対策に強い予備校を比較

情報Ⅰの受験対策に強い予備校を比較

ここでは、情報Ⅰの受験対策に強い予備校の学費や特徴を比較します。

学校名

浪人生コースの学費

特徴

四谷学院

授業料:818,000円~934,000円
入学金:50,000円

クラス授業(映像授業)と55段階個別指導(演習教材)を組み合わせたダブル教育により、徹底した「情報」対策が可能。

河合塾

授業料:890,000円~1,018,000円
入塾金:100,000円

旧課程の「社会と情報」または「情報の科学」のいずれかを選択できる高卒生専用のカリキュラムあり。
新課程の「情報Ⅰ」にも対応可能。

駿台予備校

授業料:870,000円~1,250,000円
入塾金:100,000円

新課程・旧課程のどちらを受けるべきかの相談に乗ってもらえる。
「情報AIドリル」を導入した独自カリキュラムで、情報Ⅰの徹底対策が可能。

代々木ゼミナール

授業料:900,000円~1,135,000円
入塾金:100,000円

浪人生でも「情報Ⅰ」を基礎から学べる対策講座あり。
講義編から問題演習編まで、情報Ⅰに特化したカリキュラムが充実している点がポイント。

上記のように、大手大学受験予備校では情報教科の試験対策が充実しています。浪人生でも新課程が学べるカリキュラムが数多く存在するので、情報Ⅰを一から学びたい方はぜひ利用してみてください。

以下のページでは、大学受験におすすめの予備校を更に詳しく紹介しています。授業の質やサポート体制といった各予備校の特徴を、チャート形式で分かりやすく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

>>大学受験対策におすすめの予備校一覧をチェックしてみる

まとめ

今回は、2025年度共通テストから新設される「情報」教科の対策について、浪人生の受験の要否やおすすめの受験方法などを解説しました。

情報教科の受験は、浪人生でも必須となります。しかし2025年度実施分に関しては、旧課程の科目を選択できる「経過措置」が適用されるので、新課程を履修していないからと言って不利になる心配はありません。

2025年度の共通テストを受験する浪人生の方は、本記事を参考に自分に合った科目を選択しましょう。また、情報教科の対策で予備校の活用を検討する方は、以下の「イチオシ予備校一覧」ページをチェックしてみてください。

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